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中国外貨準備高、1月は3.088兆ドルに増加
[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した1月の外貨準備高は3兆0880億ドルで、前月から152億ドル増加した。人民元の上昇が背景。
増加幅は市場予想を上回り、過去1年で最大。12月は110億ドルの増加だった。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では、93億ドル増の3兆0820億ドルと予想されていた。
中国国家外為管理局(SAFE)は声明で、1月の外貨準備が比較的緩やかに増加したのは、ドル以外の通貨の上昇や、保有資産の価格上昇が寄与したと説明した。
中国外務省は11日、今週再開された米国との通商協議での進展に期待を示した。
米中通商協議について、アナリストの多くは、中国は米国が要求する数多くの構造改革に同意するとは考えにくいものの、双方が協議継続につながる共通点を見出し、3月1日の追加関税引き上げは見送られると予想している。
また、中国当局がここ数週間、米との通商協議の環境を良くするために人民元を安定させている、とアナリストは指摘する。
昨年は対ドルで5.3%下落した人民元は、1月は米中通商協議の進展期待で2.6%上昇。一時6カ月超ぶりの元高水準を付けた。
今のところ、資本管理の厳格化は2015年にみられたような大規模な資本流出を防いでいる。外貨準備は2018年に672億4000万ドル減少したが、依然世界1位だ。
目先の人民元の方向性は、3月1日が期限の米中通商協議がカギを握るとみられるが、投資家は中国の経済指標にも注目している。
ロイターが今年にはいって実施したアナリスト調査では、人民元が対ドルで7月までに1ドル=7元の節目を越えると予想されている。現在は6.7952元付近。
中国人民銀行は、過去1年間に5回、銀行の預金準備率を引き下げた。一部アナリストは、事業環境の悪化が続けば、何らかの形で金利を引き下げる可能性は排除できない、と指摘している。
金準備は793億1900万ドル相当で、12月末の763億3100万ドルから増加した。
*内容を追加しました。