ニュース速報
アルプスアルパインが通期予想を下方修正、「12月に入り様相変化」
[東京 29日 ロイター] - アルプスアルパイン<6770.T>は29日、2019年3月期の営業利益予想を前年比30.5%減の500億円に下方修正すると発表した。従来予想は同8.2%減の660億円だった。米中貿易摩擦を背景とした中国経済減速の影響などを織り込んだ。
会見した気賀洋一郎取締役は「局地戦で終わるかと思っていた米中貿易摩擦が世界中を巻き込んだ」と厳しい認識を示した。
売上高は前年比0.7%減の8520億円に下方修正した。従来予想は同2.4%増の8790億円だった。電子部品事業でスマートフォンの販売低迷や中国・米国での新車販売低迷の影響を反映させた。増収予想は一転、減収予想となった。
最終利益予想も前年比49.4%減の240億円と、従来予想の同9.3%減の430億円から大きく引き下げた。
気賀取締役は「上半期までは比較的順調だったが、第3四半期に入り、特に11月以降、12月に入り、かなり様相が変わった」と説明。先行きについても「第3四半期で受けた毀損分が第4四半期で(底を打って)大きく上昇してくることはないだろう」と厳しい見方を示した。販売数量減による機械類の除却損などを第4四半期(1─3月期)に計上する予定で、「ネガティブな要素はかなり織り込んだ」ものの、市況の回復については「厳しめにみている」という。
2018年4─12月期決算は売上高が前年比横ばいの6445億円、営業利益は同17.5%減の490億円、最終利益は同38.8%減の271億円だった。第4四半期の最終損益は31億円の赤字を見込んでいる。
同社は同日、発行株数の9.14%にあたる2000万株を上限とする自己株取得を決議したと発表した。取得総額は284億円(上限)。取得期間は1月30日から6月28日まで。
*内容を追加しました。
(志田義寧)