ニュース速報
NY市場サマリー(25日)
[25日 ロイター] - <為替> ドルが下落し、一時約1週間ぶりの安値を付けた。トランプ米大統領が、政府機関の一部閉鎖を3週間解除する方向で議会と暫定合意したと公表した。
終盤の取引で、ドル指数<.DXY>は0.8%安の95.812。早い時間帯に一時、1週間ぶりの安値を記録した。前日には96.676に急伸し、3週間ぶり高値を付けていた。
市場の関心が、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)に移る中、ドルは終日守勢に回った。市場では金利据え置きが見込まれている。
トランプ氏の発表を受け、ドルは下げ幅を縮小する場面があったが、トレーダーらによると為替相場は想定ほど強く反応しなかったと指摘。
テンパスのトレーダーは「不透明感が残っており、ドルの反応は特に強くなかった」と指摘。「それに(政府機関の)再開は一時的なものだ。恒久的な解決に至ると(トランプ氏は)実際固く信じてもいる」と話した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは、閉鎖に伴う影響が拡大しつつある現状で、支持率に悪影響が及ぶため、トランプ氏が妥協したと推測する。
ユーロは対ドル
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は前日、ユーロ圏経済の落ち込みが数週間前の想定以上となる可能性を示唆し、利上げ時期後ずれを示唆した発言と受け止められた。ユーロは前日、1.1286ドルと2カ月ぶり安値に沈んだ。
ただ、ドラギ氏のハト派発言ですでに弱い域内景気認識は変わらなかったとして、ユーロはこの日持ち直した。
英ポンドは対ドルで3カ月強ぶりの高値を記録した。北アイルランドの民主統一党(DUP)が、メイ首相の欧州連合(EU)離脱協定案支持を条件付きながらも非公式に決定したと、大衆紙サンが報じ好感された。
<債券> 国債利回りが上昇。10年債利回りは1週間ぶりの低水準から戻した。上向きな企業決算を背景に米国株が上昇し、米中貿易摩擦や経済成長鈍化への懸念を相殺した。
また、来週に控える米債入札や連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計などへの警戒感が国債利回りの上昇圧力となった。
米政府機関の閉鎖が経済に与えるに影響への懸念は後退。トランプ米大統領が、政府機関一部閉鎖の解除に向けて議会と合意したことを明らかにし、2月15日まで3週間の資金を手当てするつなぎ予算案に署名すると発表した。[nL3N1ZP4ML]
SGコーポレート&インベストメント・バンキング(ニューヨーク)の米金利戦略主任スバドラ・ラジャッパ氏は「(債券)市場は株式市場からヒントを得ている」と述べた。
10年債利回り
2年債利回り
S&P500<.SPX>は0.9%高、ダウ<.DJI>は0.8%高、ナスダック1.3%高。
ICONアドバイザーズの債券部門シニアバイスプレジデント、ジェリー・ポール氏は多額の入札を控えているとし、「米10年債に対して慎重」との見方を示した。
米財務省は来週、2年債、5年債、7年債で合計1130億ドル、2年物変動利付債(FRN)で200億ドルの入札を実施する。[nL3N1ZO5FM][nL3N1ZO5FQ]
また、来週29─30日のFOMCを控え、追加利上げのタイミングに関する手掛かり待ちになっているという。
CMEグループのフェドウオッチによると、金利先物が織り込んでいる2019年末までの利上げ確率は30%と、前日の22%から上昇した。
来週金曜日には米労働省が1月の雇用統計を発表する。
<株式> 上昇。ダウ平均株価は183ドル値上がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数も91ポイント上げた。政府機関の一部閉鎖がひとまず解除される見通しとなる中、買いが優勢となった。
週間ではダウ平均とナスダックが5週連続で上昇。一方S&P総合500種指数は年初来で初の値下がりに転じた。
トランプ大統領は25日、政府機関一部閉鎖の解除に向けて、2月15日まで3週間の資金を手当てするつなぎ予算案で議会と合意したと発表した。つなぎ予算案は今後上下両院の承認を経て、大統領の署名によって成立する。これにより1カ月以上続いた政府機関閉鎖はひとまず解除されることとなった。[nL3N1ZP4O7]
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア市場ストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は「一部の不透明要素が薄れ始める中で見通しが改善している。政府閉鎖の解除は間違いなく相場のもたつき感の解消につながるだろうが、一時的な措置にすぎず、不透明感が完全に払拭されるとは考えにくい」と述べた。
政府機関の閉鎖に加え、米中通商交渉やブレグジット(英国の欧州連合離脱)などの不透明要素が相場の重しとなっている。
企業の決算発表が続く中、S&P500企業のうちこれまでに22%超が決算を発表、約7割の企業の業績がアナリスト予想を上回った。
個別銘柄ではコーヒーチェーンのスターバックス(スタバ)
日用品のコルゲート・パルモリブ
半導体のインテル
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.41対1の比率で上回った。ナスダックも2.56対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約75億5000万株。直近20営業日の平均は77億9000万株。
<金先物> ドル安・ユーロ高の進行に伴う割安感などを追い風に買われ、反発した。2月物の清算値は前日比18.30ドル(1.43%)高の1オンス=1298.10ドルと、中心限月ベースで昨年6月14日以来約7カ月ぶりの高値となった。週間では15.50ドル(1.21%)高。
外国為替市場では、対ユーロでドルが急落。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が広がる中、早朝から金買いが活発化。相場は午前中に一時1299.80ドルと、節目の1300ドルが目前に迫った。
また、来週には米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策会合が開かれるが、追加利上げペースの減速観測がくすぶっており、金利を生まない資産である金塊には支援材 料となっている。
このほか、米中間の通商摩擦や米政局の混迷、英国の欧州連合(EU)離脱問題など、内外の不確定要因も引き続き金相場の地合いを支えている。
<米原油先物> ベネズエラを巡る地政学的リスクや対ユーロでのドル安進行などを背景に買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値は前日比0.56ドル (1.1%)高の1バレル=53.69ドルだった。4月物は0.56ドル高の53.98ドルとなった。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるベネズエラの政情が一段と不安定になる中、反米左派のマドゥロ大統領が23日、米国との断交を発表。これに対し、米政府はベネズエラ産原油の輸入制限ないし全面禁輸などあらゆる措置の可能性を検討しているもよう。米国が実際にベネズエラの原油輸出に制裁措置を講じれば、国際石油市場への供給が減少するとの懸念が広がり、原油が買われた。
また、外国為替市場では朝方から対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される原油などの商品に割安感が生じたことも、原油買いを後押しした。さらに、この日の米株式相場は米主要企業の業績期待などを背景に寄り付きから上昇。投資家のリスク選好意欲が回復したことから、株式と並んでリスク資産である原油にも買いが入りやすかった。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが25日に発表した統計によると、同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比10基増の862基となったが、相場の反応は限定的だった。
ドル/円 NY終値 109.53/109.56
始値 109.8
高値 109.95
安値 109.47
ユーロ/ドル NY終値 1.1412/1.1417
始値 1.1345
高値 1.1419
安値 1.1339
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 106*00.00 3.0662%
前営業日終値 106*21.50 3.0330%
10年債(指標銘柄) 17時05分 103*04.00 2.7585%
前営業日終値 103*17.00 2.7120%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.00 2.5975%
前営業日終値 100*11.75 2.5450%
2年債(指標銘柄) 17時01分 99*25.38 2.6105%
前営業日終値 99*28.25 2.5620%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 24737.20 +183.96 +0.75 <.DJI>
前営業日終値 24553.24
ナスダック総合 7164.86 +91.40 +1.29 <.IXIC>
前営業日終値 7073.46
S&P総合500種 2664.76 +22.43 +0.85 <.SPX>
前営業日終値 2642.33
COMEX金 2月限 1298.1 +18.3
前営業日終値 1279.8
COMEX銀 3月限 1569.9 +39.9
前営業日終値 1530.0
北海ブレント 3月限 61.64 +0.55
前営業日終値 61.09
米WTI先物 3月限 53.69 +0.56
前営業日終値 53.13
CRB商品指数 180.6782 +1.4424 <.TRCCRB>
前営業日終値 179.2358
(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)