ニュース速報

「権限集中、経営者の倫理観に問題」、日産特別委が初会合

2019年01月21日(月)07時22分

[ 20日 東京 ロイター] - 日産自動車<7201.T>の企業統治(ガバナンス)のあり方を外部有識者で議論する「ガバナンス改善特別委員会」の初会合が20日、東京都内で開かれた。

終了後、西岡清一郎・共同委員長は記者団に対し、同社の内部調査結果を踏まえ、「取締役報酬の決定プロセスを含めたガバナンスに問題」があり、「企業経営者の倫理観に問題があった」との見解を示した。

同委員会は、個人の責任を問うのではなく、会社法違反(特別背任)の罪で起訴された前会長カルロス・ゴーン被告の不正が見過ごされてきたガバナンスの問題の根本原因を解明することが目的。西岡氏は「1人の人間に権限が集中していたことも問題だった」と語った。

初会合は約4時間に及んだ。委員会メンバー7人全員が直接、顔を合わせ、日産関係者2人から直接ヒアリングをしたほか、不正が起きた背景などについて議論を行った。

また、日本経団連前会長の榊原定征氏の共同委員長への就任も決まった。今後3─4回ほど会合を開き、3月末までに健全なガバナンスのあり方に関する提言をまとめる予定。

会見に同席した榊原氏も「人事権、報酬決定権がすべて1人に集中し、不正につながった。(会社として)チェックもできていなかった」とし、「なぜ不正が起きたのか、どういう体制にすれば防げるのかをしっかり議論して提言したい」と語った。

また榊原氏は、次期会長や取締役会の構成については「重要な議論のポイント」と指摘。誰が次期会長になるべきかという人選が「議論のミッションではない。あくまでも体制、形の問題(を議論する)」としたうえで、「報酬委員会や取締役会の構成については、議論はしなければならない」と述べた。

仏ルノーとの資本関係が日産のガバナンスに及ぼす影響について、西岡氏は「今の段階では確たることはお答えできない」としつつ、「必要があれば踏み込んで検討していくことになると思う」との見方を示した。

一方、報道されたフランス政府からの要請について、西岡氏は初会合では取り上げていないと述べた。榊原氏は「報道以上のことは何も知らず、日産からも報告はない」といい、「委員会の目的ではない」と話した。

20日付の日本経済新聞朝刊は、フランス政府の代表団が18日までに共同持ち株会社方式を軸に仏ルノーと日産を経営統合する意向を日本政府関係者に伝えたことが分かったと伝えた。

日経は、18日まで来日していたフランス政府出身のマルタン・ビアル・ルノー取締役ら同国政府の代表団が、日産とルノーが共同で持ち株会社を設け、傘下に両社をぶら下げる案などを示したとしている。

日産のガバナンス改善特別委員会は、ゴーン前会長の逮捕を受け、同社のガバナンス見直しに向けて設置された。委員会のメンバーは、会社法・ガバナンスに知見のある元裁判官で弁護士の西岡氏と榊原氏が共同委員長を務め、弁護士の佐藤りえ子氏、神戸大名誉教授(会計学)の内藤文雄氏の4人と社外取締役3人の計7人で構成されている。

*情報を追加しました。

(白木真紀 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

MAGAZINE

特集:沖縄ラプソディ

2019-2・26号(2/19発売)

報道が過熱するほど見えなくなる沖縄のリアル 迫る県民投票を前にこの島を生きる人々の息遣いを聞く

人気ランキング

  • 1

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 2

    アマゾン、2年連続税金ゼロのからくり

  • 3

    数百万人の「中年フリーター」が生活保護制度を破綻させるかもしれない

  • 4

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 5

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになっ…

  • 6

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 7

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してし…

  • 8

    JKビジネスを天国と呼ぶ「売春」女子高生たちの生の声

  • 9

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 イン…

  • 10

    アップルの税逃れ拠点、アイルランドの奇妙な二重生活

  • 1

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 2

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 3

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーンの妻たち

  • 4

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 5

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 6

    「制服」少女たちが受ける不快すぎる性的嫌がらせ

  • 7

    シロクマに包囲され逃げられないロシア観測隊、番犬…

  • 8

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国…

  • 9

    貧困家庭の女子が人生を見限る「自己選抜」......「…

  • 10

    女性に挨拶もできやしない!? でもやっぱり「職場で…

  • 1

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 2

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 3

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 4

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 5

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 6

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 7

    エロチックなR&Bの女神が降臨 ドーン・リチャードの…

  • 8

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 9

    恋人たちのハグ厳禁! インドネシア・アチェ州、公…

  • 10

    シロクマに包囲され逃げられないロシア観測隊、番犬…

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!