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金融庁、運用各社に株・債券のマネロンリスク管理を要請=関係筋
[東京 17日 ロイター] - 金融庁が運用会社に対して、マネーロンダリング・テロ資金供与防止のため、投資する株や債券などの発行体についてマネロンリスクの分析や管理を厳重に行うよう要請したことが分かった。複数の関係者が17日、明らかにした。
業態を問わず、金融機関は自社が提供する金融商品やサービスについて、マネロンリスクを分析し、リスクが高い場合は低減のための対策を実施する必要がある。金融商品取引は、犯罪で得た収益を複雑なスキームの中で移転し、合法な資産に統合するための有効な手段になるとして、金融庁は警戒している。
ただ、運用会社の場合、投資する株や債券などが膨大な規模で、人員が限られている社もあり、業界には動揺が広がっている。マネロンリスクが高いと判断した場合、その株や債券を処分し、ポートフォリオを組み替える必要が出てくる。マネロン対策の人員を増強すれば運用会社のコストが膨らむため、投資信託の購入者から受け取る信託報酬を引き上げるなど投資家に負担を求める動きにつながる可能性もある。
マネロン対策の向上を国際的に推進する金融活動作業部会(FATF)の第4次対日相互審査が今秋に迫り、金融庁は所管する金融機関のマネロン対策の底上げを急いでいる。
昨年12月には所管する全ての金融機関に対し、銀行法などに基づいて報告命令を出し、マネロン対策や関連データの提出を求めた。さらに投資運用業界に対しては、昨年12月から一部の運用会社にヒアリングを実施している。
(和田崇彦)