ニュース速報
仏「黄色いベスト」運動が企業業績圧迫、小売りや観光に打撃
[パリ 10日 ロイター] - フランスで政権に抗議する「黄色いベスト」運動のデモなどの影響で、企業の業績が圧迫されている。今週発表された企業2社の業績見通しだけでも、抗議運動は合計で約6000万ユーロ(6900万ドル)の減収要因となっている。
家電販売のフナック・ダルティ
航空大手エールフランスKLM
今後は、カジノ
ロシュ・ブルン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、マリエム・モクダッド氏は「フナックのように目抜き通りに店舗を構える企業に影響が真っ先に出ている。だが、観光業に与える打撃も大きいため、ホテルグループのアコー
食品ケータリングサービスのソデクソ
同社のデニス・マシュエル最高経営責任者(CEO)は「抗議運動の影響が春夏の旅行シーズンに及ぶ事態を強く懸念している」と述べた。
フランスの小売業界団体FCDは、昨年11─12月の2カ月間で失った売上高は約20億ユーロに上るとの推計を示した。
投資会社クレアインベストのイオンマール・バラウ氏は「改めて言うまでもないが、他の大手企業でも同様の懸念が出るだろう。過去2カ月間は毎週末、シャンゼリゼ通りが閉鎖されていたため、LVMHやデパートのボン・マルシェのような高級店も打撃を受けるだろう」と指摘。「黄色いベスト運動はフランス経済を一時停止に追い込んだため、パリ株式市場のCAC指数を構成する企業には一定程度の影響が出るだろう」と述べた。
スイスの投資会社プライム・パートナーズのファンドマネジャー、ジェローム・シュップ氏は、抗議運動に伴うリスクを考えれば、カジノやカルフールなどフランス国内中心に事業を展開する企業より、国際的に展開する企業に投資する方が好ましいとの見方を示した。
フランスでは昨年11月半ばから、燃料税引き上げ計画への抗議に端を発した抗議運動が拡大。デモでは暴力行為も多発し、繁華街や観光名所が一時閉鎖される事態となった。