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日経平均は一時700円安、15カ月ぶり安値 日米中銀に失望

2018年12月20日(木)16時32分

[東京 20日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は一時700円を超える大幅続落。3月に付けた年初来安値を下回り、約1年3カ月ぶりの安値を付けた。グローバル景気の減速懸念が払拭されない中で、日米中銀会合への失望が広がった。

過剰流動性相場の終焉が意識され全面安商状。ただ、短期的には売られ過ぎであり、リバウンドが近いとの見方もあった。

<流動性相場の終焉意識>

19日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事前の予想通り、今年4回目の利上げが決定されたが、2019年の利上げ回数の見通しが2回に減少するなど「ハト派的利上げ」と言える内容だった。

しかし、マーケットは、パウエル議長が会見で、FRBのバランスシートを毎月500億ドルのぺースで今後も縮小し続ける方針を表明したことに失望。米株が大幅安となり、日本株も軟調ムードを引き継いだ。

さらに日銀決定会合でも政策据え置き。日米ともに事前の期待が高かったわけではないが、「金融市場がリスクオフの様相を強めているなかだけに、日米中銀がともに市場に対して冷たい態度をとった受け止められた。相場の地合いが強ければ、どうと言うことはないのだが、弱っているところであり、ダメージが大きくなったようだ」(国内銀行)という。

日経平均の2万1000円割れは今年何度も反発したレベルであり、押し目買いの好機とみていた向きも、下げ幅の拡大を眺めて手出しができなくなったようだ。個人投資家から手じまい売りや追証発生懸念に伴う売りが出て、下げの勢いを加速させた。

<短期リバウンド近しとの見方も>

一方、株価下落のスピードの速さに、短期的なリバウンドは近いとの見方も出てきた。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は「過去を見ても、一方向に株価が下落するということはあまりない。ポジティブなニュースに反応したリバウンドを途中に挟むものだ。米連邦準備理事会(FRB)やトランプ米大統領が株価の底割れを防ごうとすれば、そこでいったん株価は反発する」と話す。

日経平均は年初来安値を下回り、テクニカル的にも弱い形となったが、「ボリンジャーバンドはマイナス3シグマに近づいており、早晩、短期的なリバウンドが起きる可能性もある」(証券ジャパンの調査情報部次長、野坂晃一氏)との見方も出ていた。

セクター別では東証33業種中、32業種が値下がりしたが、電気・ガスはプラスで引けた。四国電力<9507.T>、中部電力<9502.T>、北陸電力<9505.T>など電力株は堅調で、外部環境に左右されにくいディフェンシブ株として物色された。

前日上昇して安値引けとなったソフトバンク<9434.T>は寄り付き後に一時8.2%の下落となったが、その後反発し、前日終値を上回ってきょうの取引を終えた。

東証1部の騰落数は、値上がり74銘柄に対し、値下がりが2047銘柄、変わらずが9銘柄。

日経平均<.N225>

終値      20392.58 -595.34

寄り付き    20779.93

安値/高値   20282.93─20841.34

TOPIX<.TOPX>

終値       1517.16 -38.99

寄り付き     1544.42

安値/高値    1512.11─1550.93

東証出来高(万株) 182122

東証売買代金(億円) 30043.92

*見出しを修正しました。

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