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欧州市場サマリー(18日)

2018年12月19日(水)05時09分

[18日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。世界経済の鈍化や原油の供給過剰に対する懸念が根強く、相場の重しとなっている。

ただ中型株で構成するFTSE250種<.FTMC>は0.45%上昇し、序盤の落ち込みから持ち直した。月間ベースでは依然として過去最大の落ち込みとなる見込みだ。

FTSE100種は月間ベースで、16年ぶりの大幅安となる見込みだ。世界経済の鈍化への懸念に加え、英国の欧州連合(EU)離脱が不安材料となっている。

前日に売り込まれた小売株はやや持ち直した。オンラインファッション小売りのASOS(エイソス)は前日、利益見通しを引き下げ、個人消費減速への懸念が広がった。小売株が広範にわたり売り込まれた。ASOSはこの日も0.5%安となったものの、小売り最大手テスコが2.1%高となったほか、中型株では自動車ディーラー大手インチケープが6.1%値上がりした。

株式仲介会社ピール・ハントのアナリスト、イアン・ウィリアムズ氏は「昨日は、93銘柄が52週間ぶりの安値を更新し、高値をつけた銘柄は一つもなかった。非常に偏った相場だ。今日は悪い材料がなかったことから、前日に売られ過ぎた銘柄が一部買い戻されたのだろう」とした。

供給過剰懸念による原油安で、石油関連銘柄はマイナス圏で取引された。

そのほか、送電のナショナル・グリッドが9.2%安となった。FTSE100種で最も軟調だった。電力・ガス市場規制局(OFGEM)が、エネルギー供給企業の資本コストのさらなる削減を提案したことが嫌気された。

一方、中型株では製薬会社インディビアが17.7%急騰。2018年の業績目標を維持したほか、インティビア主要のオピオイド中毒治療薬「サボキソン・フィルム」について、より安価な同様の薬を発売する計画が好感された。サボキソンは、後発薬(ジェネリック)が発売された後、市場シェアを失っており、インディビアは業績建て直しを図る。

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。今年は、年末に向けて株価が上がる「サンタクロース・ラリー」ではなく、「サンタクロース暴落」が続いている。米国株式相場が前日の落ち込みから持ち直す中でも、欧州株は株安から抜け出せなかった。軟調な経済指標や原油安が相場の重しとなっている。

オッドー・セキュリティーズのトレーダー、マイケル・ジャコブ氏は「欧州は停滞状態にはまっている」と述べる。米連邦準備理事会(FRB)が19日にこれまでよりもハト派的な姿勢を示すかもしれないとの期待が浮上する中でも、その波及効果はないと指摘した。

STOXX欧州600種石油・ガス株指数<.SXEP>は2.47%低下した。需要減少への懸念から原油が値下がりしたことが背景にある。

<ユーロ圏債券> 米国債利回りの低下や欧州・アジアでの株安を受けドイツ国債利回りが低下した。

STOXX欧州600種指数<.STOXX>はこの日0.6%安。上海総合指数<.SSEC>は0.8%値下がりした。INGの金利ストラテジストは「株価の面で欧州は(米国に)追従しており、テクニカル的に今後一段安もあり得る」と述べた。

原油価格はこの日大幅安。米国原油の指標であるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物は一時47ドルを割り込み昨年9月以来の安値を付けた。

これを受けユーロ圏の期待インフレ率の目安となる5年先5年物インフレスワップは約1年ぶりの水準に低下した。金融市場が織り込む来年の欧州中央銀行(ECB)利上げの確率は5割を下回っている。

経済指標では12月のドイツIFO業況指数が101.0と、過去2年あまりで最低となった。

ドイツ10年債利回りは一時0.229%と1週間ぶり低水準。その後は0.24%近辺で推移。

この日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)の見通しについては、連邦準備理事会(FRB)が今年4回目の利上げを行うとともに利上げペースの減速を示すと予想されている。

域内の他の中核国債利回りも2ー4ベーシスポイント(bp)低下。フランス10年債利回りは3bp低下し0.71%。ドイツのアルトマイヤー経済相は18日、来年のフランスの財政赤字について、対国内総生産(GDP)比で3%を超えるのは決定的とはいえないとの認識を示した。

ロイター
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