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世界経済に暗雲、政府・中銀の備え不十分の恐れ=IMF

2018年12月12日(水)00時16分

[ロンドン 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のリプトン筆頭副専務理事は11日、世界経済に暗雲が立ち込めつつあると発言、政府・中銀の備えが十分ではない可能性があるとの認識を示した。

ブルームバーグ主催の銀行会議で述べた。

リプトン氏は、世界経済が晴天に恵まれていた過去2年間、IMFは「屋根を修理する」よう各国政府に求めてきたとした上で、「多くの人と同様、私には暗雲が立ち込めているのが見える。危機の防止に向けた作業が不完全だと懸念している」と述べた。

また「中央銀行は、これまで以上に非伝統的な措置を模索することになる可能性が高いだろう。だが効果は不透明で、金融政策の有効性を懸念せざるを得ない」と指摘した。

各国政府も多額の債務を抱えており、財政出動の余地は限られるとし、「10年前(の金融危機)のように、景気の落ち込みに対して政府が最終的に潤沢な支援を行うと期待すべきでない」との考えを示した。

当面の最大リスクとしては米中の貿易戦争が挙げられるが、IMFは、仮に予告されるすべての関税が課せられれば、世界の成長率は2020年までに最大0.75%ポイント下押しされると試算する。

リプトン氏は「(米中政府が最近表明した)一時停戦を持続的な合意へとつなげ、緊張激化を回避することが不可欠」とした上で、もし失敗すれば世界経済への打撃となり景気後退を招きかねないと警告した。

*内容を追加しました。

ロイター
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