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メイ英政権、EU離脱案予定通り採決へ 与党議員は再交渉求める
[ロンドン 9日 ロイター] - 英国のバークレー欧州連合(EU)離脱担当相は9日、メイ首相の離脱案の議会採決は予定通り行われると述べた。与党・保守党の有力議員の間ではEUとの修正案の協議を求める声が強まっている。
英紙サンデー・タイムズは、メイ氏がEU側に離脱案の修正を求めるため採決を延期する方針を10日に発表すると報じた。
しかし、バークレーEU離脱担当相はBBCテレビで「採決は11日だ。われわれはそれに注力している」と述べた。また、EUに再交渉を求めれば、フランスやスペインなどEU加盟国が新たな要求をしてくるというリスクがあると警告した。
離脱案が否決されれば英国は「未知の領域」に入るが、メイ首相の続投は可能だとの見方も示した。
こうした中、メイ氏が13─14日のEU首脳会議で離脱案の修正を求める可能性があるとの見方も出ている。
EU当局者は、法的拘束力を持たない政治宣言に「表面的」な修正を加えることでメイ氏を支援する用意はあるが、拘束力を持つ離脱協提案については再交渉の余地はないとしている。
トゥスクEU大統領は9日、「英国のEU離脱の行方にとって重要」な週を前にメイ首相と電話で協議したことを明らかにした。
メイ氏の離脱案に対する反対は、アイルランド国境の厳格な管理復活を回避するためのバックストップ(安全策)を巡る批判が中心となっている。
メイ政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)のドッズ副党首やラーブ前EU離脱担当相ら複数の議員は9日、メイ氏はEUに再交渉を求めるべきだとの考えを示した。
ジョンソン前外相は、あらゆる立場の議員がバックストップへの反対で一致しているとし、離脱案が議会で否決されれば、EUは修正の求めに耳を傾けるとの見方を示した。
メイ首相はメール・オン・サンデーのインタビューで、選択肢は自身の離脱案か、「多大な不透明感」のリスクと合意なき離脱またはEU残留のどちらかだと強調した。
離脱案が否決されれば、野党・労働党に政権を明け渡すことになるリスクもあると警告。労働党は9日、少数政権を樹立する用意があると言明した。
メイ氏は保守党内から退陣を求められる可能性もある。離脱推進派のリースモグ議員はメール・オン・サンデーへの寄稿で、メイ首相は離脱案が否決されるか、首相が採決を延期するかにかかわらず辞任すべきだと主張した。
一方、ジョンソン前外相は、離脱案が否決されてもメイ氏は続投し、EUに再交渉を求めることができるとの考えを示した。