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NY市場サマリー(7日)
[7日 ロイター] - <為替> ドルが対ユーロで下落。11月米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったことを受け、米経済成長が緩やかになり、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが従来想定より早く打ち止めになるとの懸念が広がった。
米労働省が発表した11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が15万5000人増と前月の23万7000人(改定)から鈍化し、市場予想の20万人増を下回った。
12月18─19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げが実施されると予想されているが、市場の注目は2019年の利上げ回数に移っている。
ケンブリッジ・グローバルペイメンツ(トロント)の首席市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「やや失望したが、賃金の伸びは予想通りであり、FRBが12月に利上げするとの見方は保たれた。ただ2019年の利上げに対する期待が低下したことを主因に全体的にはドル売りだった」と述べた。
ユーロは対ドルで0.32%高。
ドル指数<.DXY>は0.24%安の96.579。
CMEのフェドウォッチのデータによると、2019年において2回以上の利上げの可能性は織り込まれていない。1カ月前には2回の利上げがあるとの見方が織り込まれていた。
週間ではドル指数は約0.7%安。下落率は2カ月超ぶりの大きさとなる見込み。
<債券> 長短金利差が拡大した。11月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想に届かず、連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早い時期に利上げを打ち止めにするのではないかとの見方が出てきたことが背景。
市場関係者は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアを中心とした非加盟国が合計日量120万バレルの減産で合意したことを受け原油価格が大きく上昇したことも、安全資産としての米債に対する需要の低減につながったとしている。
PGIMフィクストインカム(ニュージャージー州)の最高投資責任者(CIO)、ロバート・ティップ氏は「FRBが景気を減速させずに利上げを継続できるとの考えは大幅に後退しつつある」と述べた。
労働省発表の11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が15万5000人増と前月の23万7000人から鈍化し、市場予想の20万人増を下回った。時間当たり平均賃金の伸びは前月比0.2%と前月の0.1%から拡大したものの、予想の0.3%に届かなかった。ただ失業率は3.7%と、49年ぶりの低水準にとどまった。
終盤の取引で10年債
2年債
今週に入ってから2年債と3年債の利回りが5年債利回りを上回り、約10年ぶりに一部の年限で逆イールド(長短金利の逆転)が発生。この日の取引では利回り曲線は全体的にスティープ化したものの、短期債の逆イールドはなお解消していない。
CMEグループのフェドウオッチによると、短期金利先物が織り込むFRBが18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を2.25─2.50%に引き上げる確率は75%と、前日の71%から上昇した。
短期金利先物が織り込む来年の利上げ回数は1回。FRBは9月、来年は3回の利上げが実施されるとの見方を示している。
<株式> 大幅安。大手ハイテク株が売られ、主要株価指数は2%を超す下げとなった。米中貿易摩擦や米金利に対する懸念が市場の動揺につながり、週間では3月以来の大幅な下げとなった。
S&P総合500種は前週、7年ぶりの上昇を記録したが、今週で全て吐き出した。
米ホワイトハウスのナバロ通商製造政策局長が7日、米中が90日間の交渉期間内に合意できなかった場合は、米政府は関税の引き上げに動くとの見解を示したことを受け、米中の貿易関係に対する懸念が高まった。
さらに市場は債券利回りと米金融政策の方向性に注目している。一部の投資家は利上げペースが従来より鈍化すると予想している。
グリーンウッド・キャピタル(サウスカロライナ州)の最高投資責任者(CIO)、ウォルター・トッド氏は、通商情勢や米連邦準備理事会(FRB)に対する信頼が揺らいでいるとの見方を示した。
ハイテク株が軟調。S&Pのハイテクセクターは3.5%安となった。ヘルスケア株<.SPXHC>も2.5%安。
S&P500の50日移動平均線が200日移動平均線を下回り「デッドクロス」を形成。短期的な弱気シグナルと見られている。
週間ではダウが4.5%安、S&P500が4.6%安、ナスダックが4.9%安。
ダウ輸送株20種<.DJT>は今週8%安。下落率は7年ぶりの大きさだった。小型株中心のラッセル2000指数は週間で5.6%安と、2016年1月以来の下げだった。
米労働省が発表した11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が15万5000人増と前月の23万7000人(改定)から鈍化し、市場予想の20万人増を下回った。これ受け、FRBによる2019年の利上げ回数が少なくなるとの見方につながった。
エネルギー株<.SPNY>は0.6%安。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国による減産合意を受け、原油価格が上昇したことが下支えした。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.08対1の比率で上回った。ナスダックでも2.63対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約87億株。直近20営業日の平均は79億株。
<金先物> 続伸。さえない米雇用統計の発表を受けて安全資産としての需要が膨らんだ。2月物の清算値は前日比9.00ドル(0.72%)高の1オンス=1252.60ドル。これは中心限月としては7月10日以来約5カ月ぶりの高値水準で、週間では2.17%上昇した。
米労働省が朝方発表した11月の雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門の就業者数の増加幅が市場予想を下回り、平均時給も大方の予想ほど伸びなかった。
この結果を受け「米景気の減速を示唆しているかもしれない」(米エコノミスト)との見方が広がり、連邦準備制度理事会(FRB)が来年の利上げペースを従来の想定よりも緩めるのではないかとの思惑も台頭。外国為替市場ではドル売りが活発化し、米株式相場も急落した。
こうした中、金塊は相対的に安全な投資先として選好され、午後にかけてほぼ一本調子で上伸、この日の高値近くで清算値が確定した。
金塊現物相場は午後1時31分現在、8.555ドル高の1246.550ドル。
<米原油先物> 3日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が協調減産で合意したことを好感した。米国産標準油種WTI中心限月1月物の清算値は前日比1.12ド ル(2.18%)高の1バレル=52.61ドル。2月物は1.11ドル高の52.81 ドルとなった。
この日の原油相場は、OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国がこの日開催の拡大会合で、ある程度の協調減産が決定されるとの期待が強まる中、朝方から上昇。前日のOPEC総会は、協調減産で暫定合意したものの、具体的な減産量をめぐり協議が難航していたとみられ、正式発表は先送りされていた。
その後、OPECは、主要生産国が世界全体の産油量(10月時点)の約1.2%に当たる日量約120万バレルの削減で一致し、来年1月から減産を実施すると発表。これを受けて、相場は一段と上げ幅を拡大し、一時は54. 22ドルの高値を付けた。
また、外国為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことも、ドル建てで取引される原油の割安感につながり、原油買いを後押しした。
ただ、買い一巡後は利益確定の売りが出たほか、米株相場が下げ幅を拡大する中、株と 並んでリスク資産とされる原油にも次第に売り圧力がかかり、上げ幅を削った。
ドル/円 NY終値 112.72/112.75
始値 112.78
高値 112.9
安値 112.56
ユーロ/ドル NY終値 1.1376/1.1380
始値 1.1379
高値 1.1423
安値 1.1365
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*12.50 3.1474%
前営業日終値 104*19.50 3.1360%
10年債(指標銘柄) 17時05分 102*09.50 2.8576%
前営業日終値 102*04.50 2.8760%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*25.75 2.7009%
前営業日終値 100*18.75 2.7480%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.88 2.7190%
前営業日終値 99*31.50 2.7580%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 24388.95 -558.72 -2.24 <.DJI>
前営業日終値 24947.67
ナスダック総合 6969.25 -219.01 -3.05 <.IXIC>
前営業日終値 7188.26
S&P総合500種 2633.08 -62.87 -2.33 <.SPX>
前営業日終値 2695.95
COMEX金 2月限 1252.6 +9.0
前営業日終値 1243.6
COMEX銀 3月限 1469.6 +18.7
前営業日終値 1450.9
北海ブレント 2月限 61.67 +1.61
前営業日終値 60.06
米WTI先物 1月限 52.61 +1.12
前営業日終値 51.49
CRB商品指数 184.1516 +2.8485 <.TRCCRB>
前営業日終値 181.3031