ニュース速報

ドル下落、米債利回り低下で リスク回避で円・スイスフラン上昇=NY市場

2018年12月07日(金)07時16分

[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米債利回りの低下に伴い、ドルが主要通貨に対し下落。経済指標が弱含み、市場のボラティリティーが高まる中、米利上げペースが鈍化するとの観測が強まっている。

ユーロ/ドルは0.26%高の1.1373ドル。

ドルは円とスイスフランに対しても下落。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)逮捕のニュースを受け、米中貿易摩擦を巡る懸念が強まったことで安全資産とされる両通貨に買いが入った。

ドル/円は0.4%安。

一方、リスク選好度の低下に伴い、資源国通貨は対ドルで下落。オーストラリアドルは0.47%、ニュージーランドドルは0.32%それぞれ下落した。

スコシアバンクの首席為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「米債利回り低下と利上げ観測後退がドル下落の背景」と指摘した。

米債市場ではこの日、10年債利回りが3カ月ぶりの水準に沈んだ。

こうした中、米連邦準備理事会(FRB)が18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施するとの見方がなお大勢。

ただ、来年の利上げ回数を巡る市場の観測は後退しており、CMEのフェドウォッチのデータによると、2回以上の利上げの可能性は織り込まれていない。1カ月前には2回の利上げがあるとの見方が織り込まれていた。

米短期債イールドカーブ逆転を受け、リセッション(景気後退)の可能性を巡る懸念が台頭する中、ドルは圧迫されている。

米ダラス地区連銀のカプラン総裁はこの日、CNBCに対し、世界経済が減速すれば、米国も影響を免れないとの認識を示した。

朝方発表された10月の米貿易統計は、赤字が10年ぶりの水準に拡大。大豆輸出が減り続けた一方で、消費財の輸入が過去最高額に達し、トランプ政権による赤字縮小に向けた関税措置が奏功していない可能性を示唆した。

ドルが全面安となっていることで、ポンドは対ドルで0.38%高。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)合意案を巡る英議会での採決を来週11日に控え、上値は限られた。

カナダドルは対ドルで下落し、約1年半ぶりの安値を更新。カナダ中銀のポロズ総裁が、経済が予想ほどの勢いに乗っておらず、原油安が成長を押し下げるとの見通しを示したことが材料視された。

ドル/円 NY終値 112.66/112.69

始値 112.78

高値 112.83

安値 112.24

ユーロ/ドル NY終値 1.1374/1.1377

始値 1.1337

高値 1.1412

安値 1.1337

*内容を追加しました。

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スー…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 5

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 9

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中