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関税による物価上昇広がる、賃金の伸び拡大=米地区連銀報告
[ワシントン 5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は5日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、関税措置に関連した物価の上昇はより広範に拡大したとした上で、全体としては全国の大部分の地域でインフレは控えめなペースで上昇したとの認識を示した。
FRBは12地区連銀の大部分が10月半ばから11月終盤にかけて景気が「控えめから緩やか(modestly to moderately)」に拡大したと報告。
広範な業種にわたる調査先が、米中貿易戦争の影響へ懸念を示したが、企業は採用活動を続けているほか、貴重な人材確保がますます困難となる中で諸手当を増やし賃金を引き上げた。
労働市場は広範な職種にわたり一段と引き締まったとの見方も示した。賃金は「控えめから緩やかなペースの高い方に近い」水準で伸びた公算があるとした。
ミネアポリス地区では「短期的な業績成長において人材確保が最大の障壁」だった。
FRBは利上げサイクルをいつまで続けるべきか検討している。こうした中、当局者の一部は最近見られる経済のリスクを指摘するようになってきた。ベージュブックはこうしたリスクを強調する内容だ。「関税によるコストの上昇は製造業や建設業から小売業、外食まで幅広く広がった」と指摘した。
ベージュブックは、中国の報復関税の打撃を受けた農業部門の所得や状況は「まちまち」とした。関税のほか降雨量が多いことが影響しているという。
中国の関税は米国の大規模な大豆産業に打撃を与えている。中国へ輸出する予定だった大豆が米国内をさまよっている状態だ。セントルイス地区は、最近の関税の影響でバージ輸送が増えたとした。
*内容を追加します。