Miho Uranaka

[東京 9日 ロイター] - 三井住友信託銀行の米山学朋社長はロイターとのインタビューで、エクイティ投資やインフラなどの実物資産向け融資を拡大するなどして、リスクマネーを供給することで投資案件の創出を主導する考えを示した。提携する米オルタナティブ資産運用大手アポロ・グローバル・マネジメントとの共同出資に期待感を示したほか、一環として船舶ファンドの組成を検討していることも明らかにした。

三井住友トラストグループは5月に示した新中計期間中(2026─28年度)に総額6000億円の戦略投資を計画している。このうち約半分にあたる3000億円を比較的高い収益性が見込めるインフラや船舶など実物資産への融資やメザニン、エクイティ投資などのリスクアセットに振り向ける方針だ。

米山氏は、日本では人口動態などを背景に預金増加によるバランスシート拡大に限界があるとの認識を示し、「年金などの超長期マネーを日本の投資に向かわせるためには、まず自分たちが先鞭(せんべん)をつけなければならない」と説明。自らメザニンやエクイティなどのリスクマネーを供給し、機関投資家資金を呼び込む役割を担いたいと話す。

具体的には、インフラや船舶、航空機などの実物資産向けの融資を拡大する。さらにファンド組成の初期段階ではエクイティを供給し、機関投資家資金の呼び水にするモデルだ。昨年10月に組成した国内総合型のインフラファンド2号は1200億円を目指しているが、米山氏は、新たに船舶ファンドも検討しているという。

こうしたエクイティ投資機能の強化に向けては、アポロとの連携も重要な位置付けだ。同行はアポロの対日投資案件で、融資や顧客紹介を含む案件発掘支援などで協業する。米山氏は、協業の次の段階として、エクイティ出資を通じた共同投資についても「もちろん期待している」と述べた。また、アポロの投資スタイルやリターン目線を見ながら、自社のエクイティ投資をレベルアップする効果も出ているとも語った。

SMTGは2035年度にグループ実質業務純益1兆円、自己資本利益率(ROE)12%を掲げている。米山氏は「かなり高めの数値」と認める。その実現には収益基盤の拡大に加え、1人当たりの生産性向上が不可欠という。

人工知能(AI)の活用やデジタル化を進め定型業務を削減、約900人分の人員を営業や成長分野へ再配置する計画だ。米山氏は、顧客基盤の拡大によって案件数が増加する一方で、人手不足がボトルネックになっていると説明。「生産性向上というのがど真ん中のテーマだ」と述べた。

※インタビューは4日に実施しました。

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