Parisa Hafezi Nayera Abdallah Steven Scheer

[ドバイ/エルサレム 8日 ロイター] - イランとイスラエルは8日、トランプ米大統領の要請を受けて相互への攻撃を停止したと表明した。ただ、イラン側は、イスラエルがレバノンで親イラン武装組織ヒズボラに対する攻撃を続ければ、戦闘を再開すると警告した。

イスラエルとイランによる過去24時間の相互への攻撃は、米国とイランの一時停戦が4月に発効して以降最も直接的な武力行使で、米国とイランの協議が損なわれる恐れがあるとの懸念から、原油価格は一時5%上昇。ただ、イランがまず、イスラエルに対する第1弾の攻撃を終了したと表明すると、下落に転じた。

事情に詳しい関係者によると、イスラエルも対イラン攻撃を停止することを決めた。

イランは7日深夜、ベイルート郊外でのヒズボラに対する攻撃への報復として、イスラエル領内に向けてミサイルを発射した。

これを受けてイスラエルはイランの防空システムと、弾道ミサイル生産に使用されているとされる石油化学プラントを攻撃。イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、イスラエル・ハイファ市にある同様のプラントをミサイルで攻撃し、報復したと発表した。

双方の当局からは死者は報告されていない。

今回の応酬は、2月28日に始まった戦争を終わらせようとするトランプ氏の取り組みを複雑にした。4月8日に発表された停戦により、本格的な衝突はやんだものの、湾岸地域での散発的な衝突は続いている。

トランプ氏は、イスラエルとイランの双方が即時停戦を望んでいると主張。「『和平』に向けた最終交渉が進行している。無知や愚かさが邪魔をしない限りはだ」と交流サイト(SNS)に投稿した。

米国とイスラエルの当局者によると、トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相は8日に電話会談した。

トランプ氏は8日に公開された米メディア「アクシオス」とのインタビューで、ネタニヤフ氏に対し、再びイランとの戦争に踏み切れば、単独で戦うことになるかもしれないと警告したと明らかにした。「私はこう言った。『ビビ(ネタニヤフ氏の愛称)、気を付けた方がいい。さもないと、すぐに孤立することになる』」とトランプ氏は語った。

イスラエルのライター駐米大使は、トランプ氏がネタニヤフ氏に圧力をかけたとする報道に反論し、FOXニュースの番組「スペシャル・リポート」で、両首脳の会話は協力的なものだったと述べた上で、誤解を招くような筋書きを誇張しているとして報道陣を非難。

「両者には40年来の深い友情がある。恋人同士でもけんかをすることはあり、時に部屋や会話の空気が少し熱を帯びることもある」とライター氏は語った。

イスラエル軍当局者は、イスラエルは「必要な期間」作戦を継続する用意があると述べ、イラン当局者も同様に強硬な姿勢を示した。半国営タスニム通信は、軍関係者の話として、イランは長期的な紛争への準備が整っており、地域内の米国の権益に対する攻撃を再開する可能性があると報じた。

国連のグテレス事務総長は、全ての当事者に最大限の自制を求め、不安定な状況をさらに悪化させかねないいかなる行動も控えるよう呼びかけたと、ハク報道官が明らかにした。

イラン外務省のバガイ報道官は、イランは「極度の不信」の雰囲気の中で米国とメッセージのやり取りをしていると述べた。

イラン国会の国家安全保障委員会のアジジ委員長は、イランの国家安全保障や、イエメンの親イラン武装組織フーシ派を含む地域内の同盟勢力に対するいかなる行動にも、高い代償を伴う断固とした対応で応じると警告したと、イランメディアが報じた。

フーシ派は声明で、紅海でのイスラエル船舶の航行を阻止すると表明。イスラエルに向けてミサイルを発射したとも明らかにした。

イスラエル軍はその後、エイラート地域で敵機警報が鳴った後、イエメンからの不審な飛行物体を迎撃したと発表した。

フーシ派はこれまで、今回の紛争には大きく関与してこなかった。同派は紅海の入り口を支配している。紅海は、イランによるホルムズ海峡の封鎖で迂回路を必要とする中東産原油の代替輸送路として重要性が増している。

イスラエルは、数千人の死者を出しているレバノンでの軍事作戦を停止しておらず、米国とイランの停戦とは別に扱うべきだとしている。ヒズボラも攻撃を続けている。

イランは以前から、米国との和平合意はレバノンでの戦闘終結にかかっているとしてきた。

レバノン駐在のイッサ米大使は8日、イスラエルとレバノンの協議がワシントンで再開される予定だと明らかにした。

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