Ritsuko Shimizu

[東京 9日 ロイター] - 経団連の筒井義信会長は9日の定例会見で、米国とイスラエルの対イラン戦争が長期化した場合、スタグフレーションとなり、経済・暮らしに影響が高ま⁠るリスクがあるとの懸念を示した。政府に対しては、関係国と連携し、早期の事態鎮静化に向けて外交交渉に努めてほしいと要請した。 

筒井会長は「市場は危機の長期化に懸念し、警告を発している」とし、長期化した場合には、景気減速、インフレの高進⁠といったスタグフレーションとなり「経済・暮らしに影響が高まり得るリスクがある」と述べた。ただ、現時点では「実⁠体経済や国民生活にどう影響するか、その多寡を予断を持って判断するのは困難」とし「今は事態の推移を緊張感をもって注視していきたい」とした。

政府に対しては「経済対策について現時点で予断をもって経済界として言及は難しい状況」と述べ「関係国と緊密に連携し、早期の鎮静化に向けて外交交渉に努めて欲しい」⁠とした。とりわけ、エネルギーの安定供給には万全を期してほしいと要望した。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、主要7カ国(G7)が⁠緊急⁠石油備蓄の共同放出について協議すると報じた。筒井会長は「緊急事態下でのリスク対応、原油価格高騰措置としては極めて高く評価したい」と述べた。また、各国が連携することが、原油価格のみならず、金融市場にも好影響を与えるのではないかとの期待を示した。

19日に日米首脳会談が予定されている。中東情勢に関しては「事態を打開⁠するには至らなくても、早期鎮静化に向けてどのような方策があり得るか、率直な意見交換を期待している」とし、米関税措置については「企業が対米投資を進めるうえでも予見性が低下しているのは事実。こういう不透明な状況を解消するよう働きかけることを期待する」とした。また、トランプ米大統領の訪中前に日米首脳会談が行われることは「極めて意義のあること」と指摘した。

米国とイスラエルの対イラン戦争拡大で、供給逼迫やホルムズ海⁠峡経由の輸送混乱が長期化することへの懸念が高まり、米WTI先物は1バレル=115ドルを超えて上昇したほか、株価は大幅安、円安も進んだ。

賃上げ議論に際しても、中東情勢の緊迫化が長期化するかどうかなどは注視していかなければならないとした。ただ「状況が厳しく、予見性が低下している中でも、人への投資がけん引して成長と分配の好循環をもたらすことには取り組んでいきたい」とした。

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