優秀過ぎるアジア人学生「締め出し」でハーバード大学が犯した罪

2018年6月25日(月)19時30分
リー・ハビブ(セーラム・メディア・グループ副社長、ラジオ司会者)

アメリカ人を民族や人種のカテゴリーで分断してもこんな悲劇が生まれるだけだ。ナターシャは自分の仲間を否定させられただけではない。自分自身をも否定させられたのだ。

ハーバードなどの大学は、アジア系学生への差別などないと主張するかも知れない。だがナターシャとその母、そして掲示板にいた学生たちは真実を知っている。

象牙の塔のエリートたちが分かっていないこと、それはアメリカ人のほとんどがナターシャと同じであることだ。私たちの大半はまさに「人種のるつぼ」そのものなのだ。

私はレバノン人とイタリア人とドイツ人の血を引いているし、妻はスカンジナビア半島の出身者とアイルランド人、それにアメリカ先住民の血を引いている。うちの娘が大学を受ける時には、いったいどこに印を付ければいいのだろう?いいと言うのか。

人種や民族を1つだけ選ばせるなどばかげている。娘が特定の人種を選択して何か得をするとしたら、ハーバードを初めとするエリート教育機関の中の人たちには明らかな偏見があることになる。

裁判所がはっきりと、そんなことを続けている大学は「頑迷」以外の何ものでもないと指摘してくれることを願ってやまない。

(翻訳:村井裕美)


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