コラム

「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと

2026年03月10日(火)14時22分
西村カリン(ジャーナリスト)

日本社会のさまざまな事象について話す・書くのが特派員の仕事だ ALBERTO PEZZALIーNURPHOTOーREUTERS

<特派員として日本のさまざまな事象を取材してフランスに伝えることが仕事だが、その時に大事だと思うことは......>

特派員の仕事とはどういうものか。日本人に限らず、意外と知らない人が多い。在住国の国民に、自分の国のことを報道するのが外国特派員の仕事と思う人は少なくない。実は逆だ。

在住国の社会、政治、経済、司法、文化などさまざまな分野の出来事を、所属媒体経由で自国に発信するのが仕事だ。


当然ながら、取材現場と取材先は自国ではなく、在住国だ。従って、私は外国人であっても、日本について書いたりしゃべったりするのが仕事なので、取材の裏側、日本の社会、マスコミや政治家についてSNSでさまざまな指摘や批判を投稿する。

残念ながら、リプライを読むと、私の立場が理解されていないことがよく分かる。「フランスの社会のほうがやばいから、自分の国のこと心配したほうがいいんじゃない」というような返信が非常に多い。「日本人ではないのだから日本について話すな、批判するな」という意味だ。

私はいつもこう答える。「フランス人として、私のほうがフランスのことを知っています。ただ自分の仕事は日本について話す・書くことです。SNSで自由に意見を表現します」

それでもなかなか通じないと思うが、別の視点から説明したら理解されるかもしれない。

例えば、アメリカ在住の日本の大手新聞社やテレビ局の記者がドナルド・トランプ大統領の記者会見に参加しているのに、その背景や大統領の発言や行動などについて自分のSNSに何も書かず、日本のことばかり投稿したら異常と思われるはずだ。「なんでこの記者はアメリカにいるのに、離れた日本について書くのか」と、誰でも疑問に思うだろう。それと同じだ。

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