現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?

その熱意もあってか、日本語能力試験の最難関N1に学習開始後わずか3カ月で合格
日本のテレビを見ていたこともあって、高校を卒業して来日したときは、部分的に日本語を読むことはできました。でも、話すことは全くできない状態だったので、基礎から学ぶため日本語能力試験(JLPT)の最上位レベルであるN1(※2)合格に目標を定めて、本格的に勉強を始めました。
(※1)相声...中国の伝統的な話芸の一つ。言葉遊びや擬音、風刺を交え、日常や社会が題材になることが多い。一本のネタで15~20分ほどになることが一般的で、観客はお茶を飲みながら観劇する。
(※2)日本語能力試験(JLPT)N1レベル...日本語能力試験(JLPT)は日本語を母語としない人を対象とした試験。N1は幅広い場面で使われる日本語を理解することができるレベルとされる。認定率は30%ほど。
――そして見事、日本語能力試験(JLPT)のN1に合格されたそうですが、どのように勉強したのでしょうか。
いぜん:詰め込みすぎず、毎日1〜2時間をコツコツ続けました。好きなことと学びを掛け合わせるようにして、バラエティー番組の日本語を真似したり、小説の好きなフレーズをメモしたり。
ただ、試験を意識して「...ではあるまいし」「いかんを問わず」など細かいフレーズばかり覚えていて、道に迷ったときに何も言えず......。インプットばかりではよくないと気づいてからは、アウトプットも意識して、実生活の中で使うことを大切にしました。
実はこう見えて陰キャ(陰気なキャラクター)なので、最初に留学した東京都立大学では友人づくりに苦労しましたが、吉本興業の養成所入所前に入った松竹芸能の養成所に通うようになってから、日本語を話す機会が増えました。
20人ほどの少人数クラスで、私の片言でゆっくりした日本語を聞いてくれる日本人の同期がいたのも幸運でしたね。





