南スーダンで人道危機拡大...飢餓770万人、病院も爆撃被害

爆撃され炎上する南スーダンの病院 MEDECINS SANS FRONTIERESーHANDOUTーREUTERS
<「私たちの病院が爆撃を受けた」。国境なき医師団(MSF)が怒りの声明を出すなか、国連南スーダン人権委員会も、爆撃は「意図的」かつ戦争犯罪に相当する可能性があると非難した>
南スーダンで内戦再燃の懸念が高まっている。5月3日、北東部オールドファンガクの病院が爆撃され、少なくとも7人が死亡、20人が負傷した。
病院が攻撃された理由は不明だが、国連南スーダン人権委員会は爆撃が戦争犯罪に相当する恐れのある「意図的」なものだったと非難した。
南スーダンではキール大統領率いる国軍とマチャル副大統領の勢力の間で緊張が高まっている。2011年、長年の独立闘争を経てスーダンから分離独立した南スーダンでは民族対立が続き、13年に内戦が勃発。
18年にキールとマチャルの権力分担と停戦で合意したが、今年3月にキール政権が反乱扇動容疑でマチャルを逮捕し、破綻した。
南スーダンの紛争は、23年から続くスーダンの内戦と融合する恐れもある。世界食糧計画(WFP)は南スーダンが「重大な転換点」にあると警告。戦闘で10万人以上が避難を余儀なくされ、人口の半分以上に当たる約770万人が飢餓に直面しているという。