最新記事

上海ロックダウン

これは終末?ロックダウン下の上海にこだまする悲鳴、ドローンの警告

Shanghai Residents Scream From Windows, Get Drone Lockdown Warning: Videos

2022年4月11日(月)15時48分
ザンダー・ランデン

上海の封鎖地区の住民に、塀越しに食料を渡す宅配業者(3月31日、今は宅配も禁じられている) Aly Song-REUTERS

<中国最大規模の感染拡大が発生している上海では、政府のゼロコロナ政策に基づく完全ロックダウンの生活に耐えかねた住民が暴発寸前に>

新型コロナ感染者が増加するなか、中国政府の厳しいゼロコロナ政策のターゲットになった大都市、上海。その異様な光景を映した動画がソーシャルメディアで話題になっている。そこに映っているのは、窓から叫ぶ高層マンションの住人たちや、新型コロナウクルス対策のロックダウン(都市封鎖)に従えという警告を発しながら都市の上空を飛ぶドローンだ。

ツイッターで拡散されている動画では、夜の上海の高層ビル街で、住人たちが窓から叫ぶ声が聞こえてくる。

「上海の住民はものすごく怒っている。これ以上は我慢できない。中国のゼロコロナ政策は危険なものになっている」と、ユーラシア・グループを率いる国際政治学者イアン・ブレマーは10日にツイッターに投稿し、この動画を紹介した。

この動画は、作家兼ラジオ司会者のパトリック・マドリッドが8日に投稿したもので、すでに約300万回も再生されている。

「なんだ、これは?この動画は昨日、私の親しい友人の父親が中国の上海で撮影した。やらせでもなんでもないことは、友人が確認した。人々は窓から叫んでいる。完全なロックダウンが始まって一週間。いかなる理由でも、アパートから出ることはできない」と、マドリッドはツイートした。

食料を求めて争う姿も

これより少し前に投稿された別の動画では、ドローンが、コロナ対策のロックダウン規則に関する警告を発しながら、市の上空を飛び回る様子が映っている。


「上海市民がバルコニーで歌い、物資不足に抗議しているところに、ドローンが現れて警告する。『ロックダウンの規制を守ってください。自由への欲求を制御してください。窓を開けたり、歌ったりしないでください』」と、エコノミスト誌の記者アリス・スーは6日にツイッターに書き込んだ。この動画は340万回再生されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中