最新記事

健康

体づくりと健康のため、確かな効果が狙える「運動量」と「頻度」とは

The Best Exercise Plan for You

2022年1月7日(金)21時11分
スー・キム
エクササイズ

無理せず楽すぎない程度の運動をコツコツ続けるのが成功の鍵だ GILAXIA/ISTOCK

<疲れを感じないほど楽では意味がないし、やりすぎも駄目。最も効率的なエクササイズの「極意」を専門家に聞いた>

スポーツジムに週に何日も通う人も、1回行っただけで時間的にも体力的にも精いっぱいという人も、悩みは同じ。努力に見合うだけの効果があるのか、見極めにくいことだ。果たして最も効率的な運動量はどのくらいなのか。

その答えは、どんな身体活動をするかなどの条件により異なる。身体活動とは米保健福祉省の定義によれば「基礎レベルを超えてエネルギー消費を増加させるような、骨格筋の収縮によって生み出されるあらゆる身体の動き」を指す。同省によれば「定期的に中〜強度の身体活動」を行えば、多くの健康リスクを減少させることができるという。

週に何日やればいい?

エクササイズの適正な頻度は、その人の体力や目的(体重減なのか筋力増強なのかといった)によっても異なる。だがメイヨー・クリニックの医師でスポーツ医学に詳しいエドワード・ラスコースキーは「中程度の身体活動を毎日、少なくとも30分間やるのを目指すといい」と語る。

時間がなければ、短時間の運動を繰り返すだけでも効果は得られる。例えば30分間続けてウオーキングするのが難しいなら、5分間ずつ何回かに分けてやればいいとラスコースキーは言う。もっとも「体重を減らしたいとか、減った体重を維持したいといった特定の目標があるなら、運動量はもっと必要になるかもしれない」そうだ。

スポーツ・フィットネス産業協会の顧問を務めるグレッグ・ハートリーは「大きな変化を求めるなら、週に3日はジムに通って、きちんと組み立てられたプログラムに沿った運動をすべきだ」と語る。

肝心なのは体の正しい動かし方を学び、それを正確にこなすよう努めること。「不正確なフォームで運動をし、何の効果も得られないばかりか最悪の場合、けがをしてしまう人が多いのは本当に残念だ」とハートリーは言う。

ジムに行かない4日間のうち3日は、生活の中で体を動かすよう心掛けよう。ランニングもいいし、エレベーターを使わず階段を上り下りするとか、職場まで乗り物を使わず歩くなど、とにかく20〜30分間、心拍数が上がるようなものであればいいそうだ。

残る1日は休息日。だが、休みだからといって大食いしたり酒をたくさん飲むのはNGだとハートリーは言う。

大切なのは地道にコツコツ続けること。「とにかく地道に。1週間運動を続けて次の1週間は休むなんてことをしていたら結果が出るわけがない」とハートリーは言う。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中