最新記事

野生動物

人間のオモチャにされたイルカ死ぬ──野生動物に触るのは犯罪

Porpoise Dies After Beachgoers Allegedly Capture, Hug and Pet It

2021年7月19日(月)14時39分
カシュミラ・ガンダー
ネズミイルカ

かわいがっているつもりなら大間違い(ネズミイルカ) mablache-iStock.

<どんなにかわいくても野生動物に手を触れるのは犯罪行為。有罪になれば懲役5年も>

ドイツの海水浴客に捕まったらしいネズミイルカが、集まってきた十数人の子供たちに抱きしめたり撫でられたりした後、死亡した。

7月9日の通報によると、複数の大人がネズミイルカを捕まえて海面に顔を出させていたようだ──地元リューベック警察はそう発表した。バルト海に面したドイツ北部のグレーミッツの海水浴場で起きた悲劇だ。

大人たちは、ネズミイルカを海面に出したまま20人以上の子供たちを呼び寄せ、抱いたり触らせたりしたという。

目撃者によると、最初は元気そうに見えたネズミイルカは次第に衰弱し、死んでしまった。

ライフガードの通報を受けて野生動物保護官が到着したときには、ネズミイルカはすでに死んでおり、人々は消えていた。

検査官によると、ネズミイルカが人間との接触のせいで死んだ可能性は否定できないという。また解剖の結果、心臓や肺には寄生虫がいた。ここから、動物由来感染症が人間に広がらないとも限らないのだ。

dofphins.jpeg
LÜBECK PUBLIC PROSECUTOR'S OFFICE / LÜBECK POLICE DEPARTMENT


犯罪捜査始まる

当局は連邦自然保護法違反の疑いで刑事事件の捜査を始めた。野生動物を捕まえたり傷つけたり殺したりするのは違法であり、有罪になれば最長5年の懲役か罰金が科される。

人間が野生動物に干渉して問題を起こすケースは後を絶たない。2017年には、スペインで人々に馬乗りになられたり写真を撮られたイルカの赤ちゃんが死亡した。

つい先週も、アメリカのルイジアナ州からきた新婚夫婦がハワイで絶滅危惧種のモンクアザラシにちょっかいを出して写真を撮り、罰金を科されたばかりだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

USスチール買収計画の審査、通常通り実施へ=米NE

ワールド

イラン外相、イスラエルのさらなる軍事行動を警告 「

ビジネス

無視できない大きさの影響なら政策変更もあり得る=円

ビジネス

ECB当局者、6月利下げを明確に支持 その後の見解
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中