最新記事

香港

天安門事件から31年 大規模集会禁止の香港で追悼行事

2020年6月5日(金)08時27分

中国の民主化運動が武力弾圧された1989年の天安門事件から31年を迎えた4日、香港で追悼行事が行われた(2019年 ロイター/TYRONE SIU)

中国の民主化運動が武力弾圧された1989年の天安門事件から31年を迎えた4日、香港で追悼行事が行われた。新型コロナウイルス感染を理由に大規模集会が禁止されているにもかかわらず、大勢の市民が街頭でろうそくを灯し、黙とうをささげた。

ブレンダ・ホイさん(24)は「6月4日を決して忘れない」と書かれた電光傘を手にしながら「これが最後の行事になりはしないか心配だが、6月4日の事件はいつまでも香港市民の記憶に残るだろう」と語った。

こうした中、数百人が集まっていた九竜半島側の旺角(モンコック)地区では、一部のデモ隊が金属製のフェンスで道路を封鎖しようとしたため、警官隊が催涙スプレーを使ってデモ隊の排除に乗り出した。警察当局によると数人が逮捕されたという。

欧州連合(EU)と米国は、天安門事件の追悼を望む香港市民への連帯を表明。台湾では自由広場に500人以上が集まり、中国政府に謝罪を要求した。

蔡英文総統は自身のフェイスブックに「中国では1年が364日しかなく、あと1日は忘れ去られている。地球の隅々で再び消えていく日がないことを願う。そして香港の健闘を祈る」と書き込んだ。

中国政府は天安門事件の全容を明らかにしていない。当局は死者数が約300人で、そのほとんどが兵士だったとしているが、人権団体や目撃証言によると、数千人は死亡した可能性があるという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・トランプの着々と進む「戦争」準備、ワシントン一帯に兵を配備
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・【世論調査】アメリカ人の過半数が米軍による暴動鎮圧を支持
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物は上昇、米原油在庫が予想外に減少

ワールド

ノルウェー、UNRWA支援再開呼びかけ 奇襲関与証

ワールド

米上院、ウクライナ・イスラエル・台湾支援法案を可決

ワールド

全米の大学でイスラエルへの抗議活動拡大、学生数百人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中