最新記事

マリファナ

米司法省、オバマ政権の大麻規制緩和を廃止 合法化の州でも起訴か

2018年1月5日(金)10時15分

1月4日、米司法省は、オバマ前政権下に導入されたマリフアナ(乾燥大麻)に関する連邦規制の緩和措置を廃止し、大麻が合法化された州で連邦検察に関連法を執行する広い裁量を認める方針を明らかにした。写真は新たな方針を示したセッションズ司法長官。ワシントンで昨年12月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

米司法省は4日、オバマ前政権下に導入されたマリフアナ(乾燥大麻)に関する連邦規制の緩和措置を廃止し、大麻が合法化された州で連邦検察に関連法を執行する広い裁量を認める方針を明らかにした。

米国では近年、大麻を合法化する州が増えており、カリフォルニア州など6州では嗜好品としての大麻が解禁され、そのほか多数の州でも医療用の大麻が合法化されている。ただ、連邦法では依然として大麻が禁止されている。

セッションズ司法長官が示した新たな方針は急速に発展する大麻ビジネスに悪影響を及ぼす可能性がある。

司法省の当局者らは既に大麻を合法化した州に法的措置を講じるかどうかについては明言を避け、今後の措置を「検討中」だと述べるにとどめた。

サンダース大統領報道官は「マリフアナにしても移民にしても」連邦法の執行にトランプ大統領は最も重点を置いていると説明した。

セッションズ司法長官は米国各地の連邦検察官に1ページのメモを送付し、新たな方針を説明。奇しくもカリフォルニア州は1日に嗜好品としての大麻使用を合法化したばかり。同州のほか、ワシントン、オレゴン、アラスカ、ネバダなどの州でも嗜好品としての使用が認められており、マサチューセッツとメインの2州も年内に解禁する見通し。

オバマ前政権下の司法省は、大麻を合法化した州について、連邦検察に関連法の違反者を起訴しないよう指示していた。

セッションズ氏は声明で、オバマ政権で導入された政策は「法の支配を損ねる」と批判し、連邦検察宛てのメモでは「確立された原則」に沿って起訴すべき事案を決めるよう指示した。嗜好品としての使用と医療用の区別については言及していない。

[ワシントン 4日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求 ハマスは

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中