最新記事

ロシア疑惑

ロシア疑惑で初の容疑者拘束か トランプ周辺の怪しい人リスト

2017年10月30日(月)19時04分
ジェイソン・シルバースタイン、マックス・カトナー

トランプ自身も、フリンに容疑がかかることを心配していたようだ。

ジェームズ・コミー前FBI長官は6月の上院情報委員会の公聴会の証言で、フリンへの捜査を打ち切るよう、トランプが繰り返し圧力をかけていたことを明らかにした。

コミーがトランプとの会話について記したメモによれば、トランプはこう言った。「この一件を忘れてくれるよう頼みたい。フリンはいい奴だ」

コミーは、トランプが捜査に不当な圧力をかけようとしていると感じたと言った。トランプはコミーに捜査をやめるよう圧力をかけたことを否定し、その後コミーを解任したのはロシア疑惑の捜査とは無関係だったと主張した。

■マイケル・フリン・ジュニア
(元トランプ政権移行チームスタッフ)

一部の法律アナリストたちは、フリンの息子、マイケル・フリン・ジュニアも訴追対象かもしれない、と推測する。

9月に米NBCニュースが匿名の米政府関係者の話として伝えたように、フリン・ジュニアも捜査対象者として知られている。FBIの捜査チームは、フリンのコンサルティング会社「フリン・インテル・グループ」とフリン・ジュニアの関わりを捜査中だとも報じられた。フリン・ジュニアは2015年12月、フリンに同行し、ロシアの首都モスクワで行われたロシア政府系テレビ局「ロシア・トゥデイ」の祝賀会に出席した。フリンはその際、ロシア側から講演料を報酬を受け取っている。

フェイクニュースを流布

米情報機関が1月にまとめた報告書は、ロシア政府が昨年の米大統領選に介入するための情報工作を「ロシア・トゥデイ」が担っていたと結論付けた。「ロシア・トゥデイ」は9月、米司法省からアメリカ支局に対し、外国政府の代理人として登録するよう要求があったと明らかにした。

フリン・ジュニアは米大統領選後、トランプの政権移行チームに合流したが、昨年12月にトランプに解雇された。「ピザゲート」と呼ばれる陰謀論に加担したのが原因だ。「ピザゲート」とは、ヒラリー・クリントンと民主党幹部が国際的な児童売買春に関わっており、ワシントンのピザ店が売春組織の本拠だとするフェイクニュース。フリン・ジュニアは「ピザゲート」というハッシュタグを付けてフェイクニュースをツイッターで拡散させた。

■ドナルド・トランプ・ジュニア
(トランプの長男)
■ジャレッド・クシュナー
(トランプの娘婿で大統領上級顧問)

トランプの長男トランプ・ジュニアと娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は昨年6月、当時選対本部長だったマナフォートとともに、トランプタワーでロシア政府とつながりのあるロシア人の女性弁護士ナタリア・ベセルニツカヤと極秘の面会に応じた。その弁護士は、ヒラリー・クリントンに不利な情報の提供を約束したという。ニューヨーク・タイムズが7月に面会の事実を報じた後、ムラーが本格的な捜査に乗り出した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中