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欧州経済

ブレグジットばねにEU結束を、欧州ユンケル委員長が呼び掛け

2017年9月14日(木)07時31分

9月13日、欧州委員会のユンケル委員長(写真)は欧州議会での施政方針演説で、欧州連合(EU)の各国政府は英国のEU離脱(ブレグジット)と景気回復を活かし、世界貿易の中心的存在として結束するよう呼びかけた(2017年 ロイター/Christian Hartmann)

欧州委員会のユンケル委員長は13日、欧州議会での施政方針演説で、欧州連合(EU)の各国政府は英国のEU離脱(ブレグジット)と景気回復を活かし、世界貿易の中心的存在として結束するよう呼び掛けた。

ギリシャの債務問題や難民流入、ユーロ懐疑派の台頭といった一連の危機緩和や経済成長に触れ、「欧州に流れが戻った。絶好の機会が訪れているが、永遠に続くことはない」と指摘した。

「ブレグジットがすべてでなく、欧州の未来でもないのだから、前進し続けよう」と述べ、英国のEU離脱決定をプラスに変える必要性を強調した。

すべての加盟国にユーロ圏や他のEU機関参加を呼び掛けた。「ユーロ圏で大陸内の分離より統合を望むなら、(ユーロは)一部の国で構成するグループ通貨以上の存在であるべきだ。ユーロはEU全体の単一通貨となる運命だ」と述べた。

英国がEUを離脱すれば、ユーロ圏非加盟国は8カ国となり、EUの域内総生産(GDP)に占める割合は15%にとどまるとされる。ユンケル氏は、EUとユーロ圏の政策は一体的に運営するのが自然との認識を示す。

フランスが主導するユーロ圏予算や財務相、議会構想には反対の立場を示した。

演説を受けブレグジット推進派らは、EUが強権化、中央集権化を進めようとしているとして、離脱は正しい判断だったと語った。

ユンケル氏はこのほか、中南米諸国との貿易協定締結に意欲を示すとともに、インフラやハイテク製造業、エネルギー分野における中国勢の欧州企業買収を制限することを提案した。

米国との自由貿易協定(FTA)の交渉加速も呼びかけた。

EUは7月に日本と経済連携協定(EPA)交渉で大枠合意しており、オーストラリア、ニュージーランドとの貿易交渉にも前向き。

メキシコおよび南米4カ国の関税同盟メルコスルとは、年内のFTA締結を目指している。

中国企業による域内企業の買収については、投資審査の枠組み構築を提案。戦略的利益を守る意思を示した。

[ストラスブール 13日 ロイター]


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