最新記事

災害

ハリケーンで米テキサス州が洪水被害 豪雨なお続く

2017年8月28日(月)10時25分

8月27日、米テキサス州では、ハリケーンから熱帯低気圧に変わった「ハービー」による大雨でヒューストンなどが洪水被害に見舞われ、住民がボートで避難する事態となっている。大雨は今後も数日間続く見通しだ。写真はヒューストンで撮影(2017年 ロイター/Richard Carson)

米テキサス州では27日、ハリケーンから熱帯低気圧に変わった「ハービー」による大雨でヒューストンなどが洪水被害に見舞われ、住民がボートで避難する事態となっている。大雨は今後も数日間続く見通しだ。

ハービーは25日夜にテキサス州に上陸。上陸時の勢力は「カテゴリー4」と、同州に上陸したハリケーンとしては1961年以来の強さとなった。

家屋の屋根が飛ばされ、建物が損壊したほか、沿岸部では浸水が見られ、27日時点で約28万世帯が停電している。これまでに少なくとも2人の死亡が確認されている。

ヒューストンでは河川や用水路が氾濫し、一部地域では胸の高さまで浸水した。

再保険会社エーオン・ベンフィールドの気象専門家スティーブ・ボーウェン氏は「ヒューストン史上、最も悲惨な洪水被害だ。前例のない量の雨が降っている」と述べた。

ハービーの中心は依然としてヒューストンから約200キロの位置にあり、30日にかけて市内にゆっくり接近すると予想されている。ハービーは風速が弱まったことから26日に熱帯低気圧に変わったが、今後も数日にわたり豪雨が続く見通しで、死者はさらに増えることが予想される。

テキサス州のアボット知事は記者会見で、27日には新たに竜巻警報が発表される見込みだと述べた。

知事はまた、行方不明者の捜索や救助、清掃に当たる兵士2800人を派遣すると発表、他州からも救急隊員が派遣されると明らかにした。

ホワイトハウスの報道官は、トランプ大統領が29日にテキサス州を訪問し、被害状況を視察すると明らかにした。

ハービーの影響で、メキシコ湾岸の製油所や洋上石油プラットフォームでは生産が停止している。

[ヒューストン 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

焦点:企業決算、日本株高再開の起爆剤か 割高感に厳

ワールド

人口減少は日本の最大の戦略課題=有識者の提言で林官

ワールド

インドネシア中銀、予想外の0.25%利上げ 通貨下

ワールド

米議会の対外支援法案可決、台湾総統が歓迎 中国反発
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中