最新記事

人種問題

トランプ、シャーロッツビルの衝突「双方に責任」 新たな反発招く

2017年8月16日(水)09時59分

8月15日、トランプ米大統領(写真)は、バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体と反対派が衝突した事件を巡り、双方に暴力的な行為があったとし、責任は双方にあると述べた。写真はマンハッタンのトランプタワーで撮影(2017年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

トランプ米大統領は15日、バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体と反対派が衝突した事件を巡り、双方に暴力的な行為があったとし、責任は双方にあると述べた。

大統領は事件発生当日の12日の会見で白人至上主義を明確に非難せず、野党民主党だけでなく共和党からも批判が噴出していたが、今回の発言は新たな反発を招いている。

大統領は15日、ニューヨークのトランプタワーで記者団の質問を受け、左派の反対派が「暴力的に相手を攻撃した」と述べた。ネオナチや白人至上主義者は「完全に非難されるべき」だとした一方で、反対派にも「トラブルメーカーはいた。黒い服を着てヘルメットをかぶり、野球用バットを持っていた。もう一方にも悪い人たちが多く存在した」と語った。

大統領は12日の会見で「われわれは可能な限り強い言葉で、この日の多方面における敵対感情、憎悪、暴力を非難する」と発言したが、14日には改めて声明を出し、ネオナチや白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」などを名指しで非難した。

大統領は15日、自身の12日当初の発言には問題はなかったとの見方を示した。「事実を把握していなければ明確な意見は表明できず、事実確認には時間がかかる」と指摘した。

共和党のロス・レイティネン議員はツイッターで大統領の発言を批判。シャーロッツビルの事件で「双方」に責任があると指摘したり、KKKやナチス支持者を巡る問題で相対的に語ったりすることに反対すると表明した。

[ニューヨーク 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責

ビジネス

訂正-メルセデス、中国パートナーとの提携に投資継続

ビジネス

ホンダ、カナダにEV生産拠点 電池や部材工場含め総
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 7

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中