最新記事

殺人

ドイツの元看護師84人殺害か 薬物注射し救命することで英雄視求める

2017年8月29日(火)16時30分

8月28日、ドイツ北部で患者2人を殺害した罪で服役中の元看護師の男が、他に少なくとも84人を殺害した疑いがあると、警察が明らかにした。写真は2014年12月、裁判所に出廷した男(2017年 ロイター/Fabian Bimmer)

ドイツ北部で、患者2人を殺害した罪で服役中の元看護師の男が、他に少なくとも84人を殺害した疑いがあると、警察が28日明らかにした。

この男は、当局によって「ニールズ・H」とだけ明かされている。警察は男が「多くの事件で犯行を自供した」と発表。ただ、自らの犯行の詳細を覚えていないという。確認されれば、単独犯による連続殺人としては同国史上最悪の犠牲者数に及ぶ可能性がある。

地元の放送局によると、これまでの審理で男はドイツ北部にある診療所2カ所で、患者にわざと危険な薬物を注射し、救命活動を行うことで英雄視されようとしていたと認めていた。

2015年に男はオルデンブルクの裁判所で、2件の殺人と2件の殺人未遂で有罪判決を受けた。

警察は28日、オルデンブルクとデルメンホルストの病院で死亡した患者について、男が関与した134人の遺体を掘り起こして捜査を開始していたと発表した。

警察によると、このうち41人の毒物検査は完了しておらず、犠牲者の数はさらに増加する可能性もあるという。

また検察は、男の行為に気付いていながら、これを制止しなかったとして元同僚6人を訴追した。

ドイツでは10年前にも、看護師の男が高齢の患者28人を注射によって殺害するという事件が起きている。

また英国では、「死の医師」との異名を持つハロルド・シップマン元受刑者が、患者250人を殺害するという事件が発生。シップマン元受刑者は2000年に終身刑15回の判決を受け、2004年に自殺したとみられている。

[フランクフルト 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低

ビジネス

日本企業の政策保有株「原則ゼロに」、世界の投資家団
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中