最新記事

移民

仏マクロン大統領、海外派遣労働者の規制強化で東欧2カ国から支持

2017年8月24日(木)15時30分

8月23日、フランスのマクロン大統領は、中東欧の歴訪で、自身が推し進める海外派遣労働者を巡る規則強化に対し、チェコとスロバキアから支持を得たことを明らかにした。オーストリアのザルツブルクで記者会見に応じる同大統領(2017年 ロイター/Heinz-Peter Bader)

フランスのマクロン大統領は23日、中東欧の歴訪で、自身が推し進める海外派遣労働者を巡る規則強化に対し、チェコとスロバキアから支持を得たことを明らかにした。

欧州連合(EU)の現行制度で「海外派遣」労働者は、EUに加盟する受入国で、最低賃金など現地の労働法制の適用を保証する契約に基づき就業することが可能だ。ただ、税金と社会保障費は本国で支払うことになっているため、マクロン大統領はこの制度の見直しを約束している。

大統領は、現行制度によりフランスや、東欧4カ国と国境を接するオーストリアなどの富裕国で不当競争が生まれていると批判。この問題に関して共に取り組んでいるオーストリアのケルン首相と23日に協議した。

大統領は会談後、ザルツブルクで会見を開き「欧州単一市場と労働者の移動の自由は、社会的規制面で(労働環境などの悪化につながる)底辺への競争を生み出すことを意図していない」と主張。「現行の『国外労働者派遣・出向指令』は本質において、欧州の精神に背くものだ」と述べた。

マクロン大統領とケルン首相は、チェコとスロバキアの首相と会談し、10月のEU首脳会議で交渉妥結を目指すことで一致した。

[ザルツブルク(オーストリア) 23日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシア中銀、予想外の利上げ 通貨支援へ「先を

ビジネス

超長期中心に日本国債積み増し、利回り1.9%台の3

ビジネス

中国不動産の碧桂園、元建て債3銘柄の初回支払い延期

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想上回り3カ月連続改善 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中