最新記事

テロ

ロンドンテロ、ISISが犯行声明 系列メディア通じ

2017年6月5日(月)10時21分

6月4日、英ロンドン中心部で7人が死亡し、多数が負傷した3日の襲撃事件で、過激派組織「イスラム国」(IS)傘下のメディア「アマック」は、ISが攻撃を実行したと伝えた。写真はロンドンの事件現場付近で撮影(2017年 ロイター/Peter Nicholls)

英ロンドン中心部で7人が死亡し、多数が負傷した3日の襲撃事件で、過激派組織「イスラム国」(IS)傘下のメディア「アマック」は、ISが攻撃を実行したと伝えた。

アマックは「派遣されたイスラム国兵士らが昨日のロンドン襲撃事件を行った」との声明を発表した。

英ロンドン中心部のロンドン橋などで3日夜、ワゴン車暴走や刃物による襲撃で少なくとも7人が死亡した。英国で発生した過激派による襲撃は3カ月弱で3度目となる。

死亡者にはフランス国籍とカナダ国籍が1人ずついたという。負傷者は少なくとも48人。オーストラリア当局は、負傷者に豪州人が1人含まれていると発表した。

事件は3日午後10時(日本時間4日午前6時)ごろに発生。最初の緊急通報から8分以内に、警察はロンドン橋の近くの食品市場「バラマーケット」で容疑者の男3人を射殺した。

ロンドン警視庁のマーク・ローリー警視副総監によると、犯行グループは自爆装置付きのベストを装ったものを着用していたため、警官8人が銃弾約50発を発射した。ベストは調査の結果、偽物だったことが判明した。市民が流れ弾に当たり負傷したが、命に別状はないという。

警察は、ロンドン東部バーキングで事件との関連性が疑われる12人を逮捕。ロイターのカメラマンによると、近隣地域のイーストハムでも捜査が行われているもようだ。

事件の目撃者によると、白いワゴン車を降りた犯人らは周囲の人々を攻撃しながら、バーやレストランが密集するエリアに侵入し、人々を無差別に刺した。犯人らが「これはアラーのためだ」と叫んだのを聞いたという目撃者もいた。

イングランドの保健当局によると、4日午後時点で36人が病院に収容され、そのうち21人が重体。

ロンドンのカーン市長は、英国の警戒レベルは「シビア」のままであり、攻撃の危険性は非常に高いと指摘。「いまわれわれにできることは、8日の選挙で脅しには屈しないと示すこと。そして民主主義、市民の自由、人権の重要性への理解を確実なものにすることだ」と述べた。

[カイロ 4日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中