英ロンドンのテロは7人死亡21人重体 メイ首相「我慢の限界」
6月4日、英ロンドン中心部のロンドン橋などで3日夜、ワゴン車暴走や刃物による襲撃で少なくとも7人が死亡した事件でメイ首相は、同国としてイスラム過激派組織の撲滅に向け対策を強化する必要があると表明した(2017年 ロイター/Kevin Coombs)
英ロンドン中心部のロンドン橋などで3日夜、ワゴン車暴走や刃物による襲撃で少なくとも7人が死亡した事件でメイ首相は、同国としてイスラム過激派組織の撲滅に向け対策を強化する必要があると表明した。
同国で発生した過激派による襲撃は3カ月弱で3度目となる。
メイ首相は、半旗の掲げられた首相官邸の外で、8日の総選挙は予定通り行うと発表。ただ、サイバー空間の取り締まりを提案するとともに、英国は過激思想に対しあまりに寛容すぎたと主張し、「もう我慢の限界だ、と言うべき時が来た」と述べた。
首相はさらに「これまで通りの状態を続けることは不可能であり、それが可能だと見せかけるべきではない」と述べ、模倣犯による新種の未熟な攻撃が発生する危険があると警告した。
死亡者にはフランス国籍とカナダ国籍が1人ずついたという。負傷者は少なくとも48人。オーストラリア当局は、負傷者に豪州人が1人含まれていると発表した。
事件は3日午後10時(日本時間4日午前6時)ごろに発生。最初の緊急通報から8分以内に、警察はロンドン橋の近くの食品市場「バラマーケット」で容疑者の男3人を射殺した。
ロンドン警視庁のマーク・ローリー警視副総監によると、犯行グループは自爆装置付きのベストを装ったものを着用していたため、警官8人が銃弾約50発を発射した。ベストは調査の結果、偽物だったことが判明した。市民が流れ弾に当たり負傷したが、命に別状はないという。
警察は、ロンドン東部バーキングで事件との関連性が疑われる12人を逮捕。ロイターのカメラマンによると、近隣地域のイーストハムでも捜査が行われているもようだ。
事件の目撃者によると、白いワゴン車を降りた犯人らは周囲の人々を攻撃しながら、バーやレストランが密集するエリアに侵入し、人々を無差別に刺した。犯人らが「これはアラーのためだ」と叫んだのを聞いたという目撃者もいた。