最新記事

南シナ海

海自の最新鋭艦「いずも」 ASEAN10カ国の士官乗せ南シナ海航行

2017年6月19日(月)16時51分

6月19日、海上自衛隊の最新鋭艦「いずも」は、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の士官を乗せて南シナ海を航行する。日本は中国が軍事拠点化を進める南シナ海への関与を強める方針で、艦上で勉強会を開き、この海域で起きている情勢の認識や国際法を順守することの重要性をASEAN各国と共有したい考え。写真は最新鋭艦「いずも」。昨年12月横須賀で撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

海上自衛隊の最新鋭艦「いずも」は19日から、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の士官を乗せて南シナ海を航行する。日本は中国が軍事拠点化を進める南シナ海への関与を強める方針で、艦上で勉強会を開き、この海域で起きている情勢の認識や国際法を順守することの重要性をASEAN各国と共有したい考え。

防衛省の発表によると、いずもは19日にシンガポールを離れ、23日まで周辺海域を航行する。南シナ海の一部を巡って中国と領有権を争うフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイだけでなく、対中関係を重視するカンボジアやラオスも含め、ASEAN全加盟国の若手士官を招待した。

中国が南シナ海のほぼ全域の領有権を主張し、南沙諸島などの岩礁を埋め立てて軍事基地を造成している現状に対し、ASEAN内では意見が一致していない。ASEANは全加盟国が共同歩調を取るのが原則で、国際会議で非難声明を出せないことがたびたび起きている。

「ラオスやカンボジアも含めたすべての国に、今起きていることを理解してもらうのが大切だ」と、防衛省関係者は今回の航海の狙いを説明する。艦上で海洋法や人道支援、災害救援の勉強会を開くほか、いずもの乗員が訓練する様子を各国の士官が見学する。

ヘリコプター空母のいずもは、2015年3月に就役した海自最大の護衛艦。5月から約3カ月にわたって南シナ海とインド洋を航行し、シンガポールやフィリピン、ベトナム、スリランカに寄港するほか、米国やオーストラリア、カナダなどの海軍と共同訓練を行っている。7月中旬には米国、インドとの共同訓練「マラバール」にも参加を予定している。

南シナ海への関与を強める日本は、ASEANとの関係強化を進めている。15日にはフィリピンやインドネシアなど5カ国の国防当局者を幕張(千葉市)に集めて防衛装備輸出に関する会議を開催した。20日から自衛隊が国内で行う大規模災害演習にも、ASEAN10カ国の士官を招待する。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

[東京 19日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニュース速報

ワールド

朝鮮半島情勢の緊迫化、危険な結果もたらす可能性=ロ

ワールド

独極右政党AfD、共同党首が離党表明=報道

ワールド

朝鮮半島情勢は非常に危険な段階=中国外相

ビジネス

米共和党の減税案、パススルー課税引き下げ盛り込む見

MAGAZINE

特集:中国が北朝鮮を見捨てる日

2017-10・ 3号(9/26発売)

核とミサイルを手に恫喝を繰り返す北朝鮮 「血の友情」で結ばれたはずの中国はどう出るのか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北朝鮮、太平洋での水爆実験あり得るか? 専門家は「大災害」を指摘

  • 2

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 3

    北朝鮮「ロケット米全土到達」警告にトランプ反発 米朝、非難の応酬

  • 4

    トランプに「英語を話さない」と言われた昭恵夫人、…

  • 5

    北朝鮮、米が宣戦布告と主張 領空外でも爆撃機撃墜…

  • 6

    13年ぶり凱旋、トヨタのでかいピックアップ車は売れ…

  • 7

    「核保有国」北朝鮮と世界は共存できるのか

  • 8

    北朝鮮の次はNFLを「口撃」、スポーツまで敵に回した…

  • 9

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 10

    金正恩の狂人っぷりはどこまで本物か?

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 3

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 4

    世界初の頭部移植は年明けに中国で実施予定

  • 5

    ペットショップは「新品」の犬を売ってはいけない

  • 6

    ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(後編)

  • 7

    北朝鮮外相「太平洋でかつてない規模の水爆実験」示唆

  • 8

    猫は固体であると同時に液体でもあり得るのか!? 

  • 9

    北朝鮮「ロケット米全土到達」警告にトランプ反発 …

  • 10

    北朝鮮、太平洋での水爆実験あり得るか? 専門家は…

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 3

    北朝鮮問題、アメリカに勝ち目はない

  • 4

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密…

  • 5

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 8

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 9

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 10

    【戦争シナリオ】北朝鮮はどうやって先制攻撃してく…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク試写会「ザ・サークル」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月