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台湾の喫煙・飲酒率は世界最下位、高まるアジアの健康志向

2017年3月29日(水)16時45分
舞田敏彦(教育社会学者)

他の対象国についても、同じやり方で3つの指標を計算してみた。<表1>は、32カ国の一覧表だ。最高値には黄色、最低値には青色のマークをして、上位3位の数値は赤字にした。なおドイツは、調査対象が旧東西地域に分かれている。

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日本の3つの値は、32カ国の平均値よりも少し低いくらい。喫煙率のトップはハンガリーの38.6%、飲酒率ではフィンランドの68.0%となっている。スウェーデンと同じく、寒い国では酒が手放せないのだろうか。両方に該当する人の割合はチェコが最も高く、リトアニアやロシアといった旧共産圏の国々も比較的高い。

【参考記事】ブレグジットの影で進んでいた「孤独」の健康被害。英国で委員会発足

その対極にあるのがアジアの台湾で、喫煙や飲酒をする人がほとんどいない。公共施設や交通機関の中は全面禁煙で、日本より先行している。また食事に酒が供されることは少なく、茶が好まれる土地柄でもある。

今後、日本でも喫煙や飲酒はさらに減っていくだろう。闇雲な規制は個人の嗜好の侵害につながるが、煙を吸わされることによる健康被害(受動喫煙)には気を配らないといけない。飲酒にしても、泥酔して他人に迷惑をかける行為などもってのほかだ。喫煙にも飲酒にも、周囲への配慮が求められる時代になっている。

<資料:Health and Health Care - ISSP 2011

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