最新記事

医療

アメリカ共和党のオバマケア代替案、数千万人が保険失う

2017年3月14日(火)10時37分

 3月13日、米議会予算局(CBO)は、共和党が提示した医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案に関する評価報告書を公表し、代替案の下では来年までに1400万人が保険を失うとの試算を明らかにした。写真は代替案について話すライアン下院議長、8日撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

米議会予算局(CBO)は13日、共和党が提示した医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案に関する評価報告書を公表し、代替案の下では来年までに1400万人が保険を失うとの試算を明らかにした。

未加入者の数は2026年までに5200万人に達すると試算し、オバマケアを現行のまま維持した場合に予想される2800万人よりも2400万人多い見積もりとなった。

ただ、代替案では2017─26年の間に連邦政府の赤字が3370億ドル削減されるとした。

代替案では未加入者への罰金を廃止するため、健康な人の加入が減ると予想されることから、保険料は18年と19年にそれぞれ15─20%値上がりすると試算した。ただ、20年以降は保険市場の自由化などで保険料の下落が見込まれるとした。

共和党のライアン下院議長はCBOの報告書について、共和党案によって最終的に保険料が下がることが示されたと指摘し、議会と政権は医療制度の改革に向けさらなる措置を講じていくと表明した。

一方、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のヘルスケアプログラム担当責任者クレイグ・ガースウェイト氏は、代替案の下では大方の予想を上回る数の国民が予想よりも早く保険を失うことが示されたとし、共和党にとって不利な内容だ述べた。

プライス厚生長官はホワイトハウスで記者団に対し、CBOの報告書は規制改革や他の医療保険改革の取り組みなどを考慮していないとして、強く反対する立場を表明した。



[ワシントン 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中