最新記事

シリコンバレー

米ハイテク業界がトランプの移民政策に反旗

2017年1月31日(火)17時30分
アンソニー・カスバートソン

 だが、抗議の意思をもっとも大きく行動で示したのはおそらく、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンだろう。ブリンはサンフランシスコ空港で行われた抗議運動に参加したのだ。フォーブス誌の取材に対してブリンは、「私がここにいるのは、私が難民だからだ」と語った。ブリンは6歳のとき、両親と共に旧ソ連からアメリカに亡命してコンピューター科学者になった。

 グーグルは日曜夜、移民支援のために、400万ドルを集める緊急基金を設立すると発表した。同社にとっては過去最大規模の基金となる。

■ウーバー、リフト

 ウーバーのトラビス・カラニックCEOは、移民規制を批判するのが遅かったため、同社の配車サービスアプリ「Uber」の削除を呼びかけるキャンペーンが巻き起こる騒ぎとなった。ライバル企業のリフトが移民規制を非難し、アメリカ自由人権協会(ACLU)に対して100万ドルを寄付すると約束するや、ハッシュタグ「#DeleteUber(Uberを削除しよう)」はますます勢いづいた。

 カラニックはリフトに対抗するべく、300万ドルの基金を設立し、トランプの「不当な」命令の影響を受けるドライバーの訴訟費用を支援すると約束した。

 カラニックはフェイスブックへの投稿で次のように述べた。「ウーバーの信条は、正しいことのために立ち上がることだ。ウーバーはコミュニティだ。われわれは支え合うためにここにいる」

■Airbnb(エアビーエンドビー)

 Airbnbは大統領令への対抗策として、移民規制の影響を被った人々に、滞在先を無料で提供すると発表した。社内向けの災害対応プログラムを活用するという。

 Airbnbのブライアン・チェスキーCEOは、「Airbnbは、難民、およびアメリカに入国できない人々に対して住宅を無料で提供します」とツイートした。「さらなる支援策については後でご連絡します。滞在先が早急に必要な方はわたしに連絡してください」

 また別のツイートでチェスキーは、「扉を開けば、わたしたちはひとつになる。扉を閉じれば、わたしたちはさらに分断される。人々を分離する方法ではなく、結びつける方法をみんなで見つけよう」と述べた。

■フェイスブック、ツイッター

 フェイスブック創業者であるマーク・ザッカーバーグの曽祖父母は、ドイツやオーストリア、ポーランドからの移民だった。ザッカーバーグはフェイスブック上で、トランプの大統領令がもたらす影響への「懸念」を表明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル34年ぶり155円台、介入警戒感極まる 日銀の

ビジネス

エアバスに偏らず機材調達、ボーイングとの関係変わら

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想上回り3カ月連続改善 

ワールド

イラン大統領、16年ぶりにスリランカ訪問 「関係強
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中