最新記事

投資

8日に9州で大麻合法化問う米住民投票控え、関連株買いに勢い

2016年11月8日(火)12時50分

11月4日、米大統領選が行われる8日にカリフォルニア州など9つの州で嗜好品としての大麻(マリファナ)合法化の是非を問う住民投票が行われる。これに先立ち、大麻関連産業が幅広い投資家を引き付けている。写真はロサンゼルスで大麻の入った瓶を眺める人々。2014年撮影(2016年 ロイター/David McNew)

 米大統領選の投票が行われる8日にカリフォルニア州など9つの州で嗜好品としての大麻(マリファナ)合法化の是非を問う住民投票が行われるのを控えて、大麻関連産業が機関投資家やハイテク企業、上場企業などからの投資を引き付けている。

 こうした資金は連邦法の下で違法とされる大麻の栽培や販売への直接の投資は避け、大麻栽培用の肥料や育成用照明、関連ソフトウエアといった補助的な分野に向かっている。

 合法大麻市場は今後の急激な拡大を予想する声もあり、この分野に初めて足を踏み入れる投資家は、法的リスクを最小限にしながら利益を確保する方法を模索している。

 米著名実業家のリンジー・スナイダー氏は、大麻の生産者と小売業者が規制の変化に対応できるようにするソフトを開発する新興企業、カインド・ファイナンシャルに投資した。またシリコンバレーのエンジェル投資家(新興企業に投資する富裕層)のフルトン・コナー氏は、大麻生産者と店舗をつなぐオンライン市場に投資したという。

 米園芸用品メーカーのスコッツ・ミラクル・グロは、大麻生産者に土、照明、肥料などを販売する企業買収に数億ドルを投じた。

 一方、マイクロソフトはカインド・ファイナンシャルと手を組み、規制当局者が農場から市場へ向かう大麻の動きを追跡できるソフトを開発している。

 投資家らは早期の市場参入により長期的に優位に立つことを期待している。コーエン・アンド・カンパニーのアナリスト、ビビアン・アゼル氏は大麻市場について、カリフォルニア州で合法化されれば「市場の規模は3倍に拡大するだろう」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

プーチン氏、5月に訪中 習氏と会談か 5期目大統領

ワールド

仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中