最新記事

2016米大統領選

「トランプ暴言」に海外外交官たちが米国へ異例のイエローカード

インド、韓国、日本、メキシコの外交官が私的会話の中でトランプの外国人嫌悪に不満を漏らす

2016年3月13日(日)14時15分

外野の声は聞こえない?  3月7日、米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走るトランプ氏(写真)が公の場で行った「扇動的で侮蔑的」な発言に対し、他国の外交官たちが米政府当局者に警戒感を示しているという。ノースカロライナ州で撮影(2016年 ロイター/Chris Keane)

 米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏が公の場で行った「扇動的で侮蔑的」な発言に対し、他国の外交官たちが米政府当局者に警戒感を示しているという。

 欧州、中東、中南米、アジア各国の高官は、最近の私的な会話のなかで、トランプ氏の発言に見られる主に外国人嫌悪について不満を漏らしていたと、米当局者3人が明らかにした。

「(トランプ氏の)発言が今後も続き、場合によってはエスカレートするにつれ、世界各国で一部の指導者の懸念も高まる」と、米当局者の1人は話す。

 米当局者3人は不満を漏らした外交官の出身国を完全に明かすことは拒否したが、うち2人は少なくともインド、韓国、日本、メキシコがそのなかに含まれていることを明らかにした。

 たとえプライベートな会話でも、米大統領選のさなかに他国の外交官が候補者について懸念を表明することは非常にまれだという。特に、大統領選の勝者が誰であっても協力する必要があると意識する米国の同盟国は、国内政治に干渉していると見られたくないと普通は考える。

 英国、メキシコ、フランス、カナダなどの指導者層のなかには、すでに公の場でトランプ氏の取る立場を批判している人もいる。ドイツのガブリエル経済相は、6日付ウェルト日曜版のインタビューで、トランプ氏のことを平和と繁栄に対する脅威だと述べた。

 トランプ氏の選挙陣営は、この件についてコメントを差し控えた。

 日本、インド、韓国の大使館もコメントしなかった。

 メキシコ政府の報道官はいかなる私的な不満も確認しないとしたうえで、同国の外相が先週、トランプ氏の政策や発言は「無知で差別主義的」であり、不法移民を阻止するため国境沿いに壁を築くという同氏の計画は「ばかげている」と述べたことを強調した。

 米当局者によれば、外交官たちはとりわけトランプ氏が掲げる反移民、反イスラム教徒の政策を懸念している。

 欧州や中東の当局者は、トランプ氏の反イスラム宣言が過激派組織「イスラム国」や他のイスラム系武装勢力の勧誘に使われているとして米当局者に懸念を訴えているという。

 また、国際的な貿易協定への反対姿勢や、中東の紛争で同盟諸国に役割拡大を求めるトランプ氏のもとで、米国がますます内向きになると危惧する声も聞かれる。

ニュース速報

ビジネス

IMF、ドイツ成長率予想引き下げへ 英EU離脱決定

ビジネス

オバマ米大統領、英国民投票による世界経済への長期的

ビジネス

ドイツ銀・サンタンデールが再び不合格=米FRBスト

ビジネス

ロンドン・上海証取の相互接続、英EU離脱でも協議継

MAGAZINE

特集:BREXITの衝撃

2016-7・ 4号(6/28発売)

世界を揺るがせたイギリス国民投票のEU離脱派勝利。リーマン危機級のパニックが再びグローバル経済を襲うのか

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    もし第3次世界大戦が起こったら

  2. 2

    英キャメロン首相「EU離脱派6つのウソ」

  3. 3

    ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない

  4. 4

    ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

    無差別の市民を選び出し、身近な標的を殺せと支持…

  5. 5

    財政赤字を本気で削減するとこうなる、弱者切り捨ての凄まじさ

  6. 6

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  7. 7

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

  8. 8

    コンビニATM14億円不正引き出し、管理甘い日本が狙われる

    アフリカ諸国、東欧、中東などでは不正分析ソフト…

  9. 9

    搾取されるK‐POPのアイドルたち

  10. 10

    Windows10の自動更新プログラム、アフリカのNGOを危険にさらす

  1. 1

    レイプ写真を綿々とシェアするデジタル・ネイティブ世代の闇

    ここ最近、読んでいるだけで、腹の底から怒りと…

  2. 2

    英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答え…

  3. 3

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日本でサミットなどの国際会議が開催されるたび…

  4. 4

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  5. 5

    間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実

    ニューヨークに住み始めた僕は、まず携帯電話を手…

  6. 6

    中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「…

  7. 7

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治…

  8. 8

    【市場】いよいよ終わりの始まりが始まった

    いよいよ終わりの始まりが始まった。それは日銀のマ…

  9. 9

    パックンが斬る、トランプ現象の行方【後編、パックン亡命のシナリオ】

    <【前編】はこちら> トランプ人気は否めない。…

  10. 10

    日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感

    日本で「反知性主義」という言葉が流行している…

  1. 1

    メルセデス・ベンツの長距離EV、10月に発表=ダイムラー

    ドイツの自動車大手ダイムラーは、メルセデス・…

  2. 2

    米フロリダ州の乱射で50人死亡、容疑者は警備最大手に勤務

    米フロリダ州オーランドの、同性愛者が集まるナ…

  3. 3

    英国のEU離脱派と残留派、なお拮抗=最新の世論調査

    11日に公表された世論調査によると、英国の欧…

  4. 4

    英EU離脱は連合王国のリスク、元首相2人が警告

    英元首相のトニー・ブレア氏とジョン・メージャ…

  5. 5

    ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

    欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁…

  6. 6

    米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

    米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が…

  7. 7

    NY市場サマリー(10日)

    <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が…

  8. 8

    インタビュー:世界的な低金利、エンダウメント型投資に勝機=UBSウェルス

    UBSウェルス・マネジメントのグローバルCI…

  9. 9

    焦点:タカタ再建、「ラザード」効果で進展か 車各社との調整に期待

    欠陥エアバッグ部品の大量リコール(回収・無償…

  10. 10

    英国民投票、「EU離脱」選択で何が起こるか

    欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控…

定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
リクルート
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

モハメド・アリ、その「第三の顔」を語ろう

STORIES ARCHIVE

  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月