最新記事

流通

米スポーツ・オーソリティが破産申請、アマゾンとの競争激化で疲弊

書店に家電販売、スポーツ用品チェーンと、あらゆる小売業がECの巨人に潰される──

2016年3月3日(木)18時45分

3月2日、米スポーツ用品小売り大手スポーツ・オーソリティは、連邦破産第11条の適用を申請した。アマゾンなど、ネット販売との競争激化が背景。写真はカリフォルニア州で撮影(2016年 ロイター/Mike Blake)

 米スポーツ用品小売り大手スポーツ・オーソリティは2日、連邦破産第11条の適用を申請した。アマゾンなど、ネット販売との競争激化が背景。今後、不採算店舗の閉鎖や売却などを模索する。

 スポーツ・オーソリティは450以上の店舗を展開。2006年にプライベートエクイティ(PE)のレナード・グリーン・アンド・パートナーズに13億ドルで買収された。

 同社は声明で「今回の決定は、ネットでの購入増加を踏まえた実店舗の包括的見直しの結果下した」と表明。

 アギラー最高財務責任者(CFO)は、裁判所に提出した資料で、老朽化したシステムや、経営陣の頻繁な交代なども破産申請につながったと指摘した。CFOの資料によると、スポーツ・オーソリティの資産は13億ドル、負債は11億ドル。

 裁判所への提出資料によると、スポーツ・オーソリティは、清算責任者の選任および最大200店舗の閉鎖手続きの開始を申請。5カ所の物流拠点のうち2カ所の閉鎖ないし売却も計画している。

 会社更生手続きの間に最大5億9500万ドルの再建企業向け融資(DIPファイナンス)を受けるとの見通しを示した。

 銀行側は、4月下旬までに買収提案を募集し、合意を取りまとめるよう求めている。

 フォス最高経営責任者(CEO)は「すでに一部、または丸ごとの買収について強い関心が示されている」と述べた。

 

[北京 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務

ビジネス

米3月中古住宅販売、前月比4.3%減の419万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中