最新記事

世界経済

マイナス金利が引き起こす金融不安、蘇るリーマンショックの悪夢

市場の懸念材料は世界経済の減速から金融機関の信用不安という別次元のステージへ……

2016年2月10日(水)10時50分

2月9日、日欧のマイナス金利政策による金融機関の収益圧迫に警戒感が台頭してきた。写真は都内のトレーディングルーム(2016年 ロイター/YUYA SHINO)

 世界的なリスクオフが第2段階に入ってきた。日欧のマイナス金利政策による金融機関の収益圧迫に警戒感が台頭。市場の懸念材料が、世界経済の減速から金融機関の信用不安という別次元のステージに移行してきた。まだ不安の段階ではあるものの、「リーマンショックの記憶」が蘇る中で株安・円高・金利低下が一段と深まっている。

連鎖的な銀行株安

 グローバルなリスク回避が強まる中、最も売りを浴びたのは銀行など金融株だ。8日の市場で、欧州のSTOXX欧州600銀行株指数<.SX7P>は5.59%低下。米国のS&P金融株指数<.SPSY>は2.6%の下落にとどまったが、9日の市場で日本の銀行株指数<.IBNKS.T>も7.36%と大きく下落している。

 銀行株の急落は、年初からのリスクオフが別次元に入ってきたことを示す。「世界景気の減速はそれほど怖くない。循環的であり、いずれ回復するからだ。しかし、金融機関の信用収縮に結びつけば、リーマンショックのように経済全体が委縮する恐れが高まる」(米系投信・運用担当者)ためだ。グローバル化したマーケットにおいて金融機関の不安は連鎖する。

 市場が不安視するのは金融機関の収益悪化だ。日欧が導入したマイナス金利が要因で、世界中の金利が急低下。運用難が極まる一方、貸出も伸びない中で、利ザヤ縮小によって収益が圧迫されるのではないかとの懸念が強まっている。

 ドイツ銀行の2015年決算は、過去最大の68億ユーロ(約8800億円)の赤字。8日の市場では「CoCo債(偶発転換社債)」の一種であるAT1債の利払いに対する不安が強まった。同行は8日、充当できる手元資金が「十分」にあると強調する声明を発表したが、市場の不安はくすぶる。

 同社の株価は8日の市場で9.5%急落、09年以来の安値水準に落ち込んでいる。

ニュース速報

ビジネス

日韓通貨スワップ協定の再開、財務相「韓国側から話出

ワールド

安倍首相、北朝鮮ミサイル発射を非難 「安全保障に重

ワールド

タイ南部のホテル付近で2回の爆発、1人死亡・30人

ワールド

アングル:五輪閉幕、ブラジルに立ちはだかる厳しい現

MAGAZINE

特集:世界が期待するTOKYO

2016-8・30号(8/23発売)

リオ五輪の熱狂は4年後の東京大会へ── 世界は2020年のTOKYOに何を期待するのか

人気ランキング

  • 1

    フィリピンのドゥテルテ大統領が国連脱退・中国と新国際組織結成を示唆

  • 2

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 3

    オリンピック最大の敗者は開催都市

  • 4

    実情と乖離した日本の「共産主義礼賛」中国研究の破綻

  • 5

    NSAの天才ハッカー集団がハッキング被害、官製ハッキングツールが流出

  • 6

    決死の亡命を果たした北朝鮮公使、韓国で約束される仕事と警護

  • 7

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 8

    北朝鮮外交官の亡命と「ドラゴンボール」の知られざる関係

  • 9

    「反安倍」運動に携わるシニア左翼の実態と彼らのSEALDs評

  • 10

    中国、NGO関係者への思想教育を強化 事実上の国外追放へ

  • 1

    フィリピンのドゥテルテ大統領が国連脱退・中国と新国際組織結成を示唆

  • 2

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 3

    競泳金メダリストの強盗被害は器物損壊をごまかす狂言だった

  • 4

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 5

    リオ五輪、英国のメダルラッシュが炙りだしたエリートスポーツの光と影

  • 6

    オリンピック最大の敗者は開催都市

  • 7

    「ドーピング」に首まで浸かった中国という国家

  • 8

    リオ五輪でプロポーズが大流行 「ロマンチック」か「女性蔑視」か

  • 9

    希望のない最小の島国ナウルの全人口をオーストラリアに移住させる計画はなぜ頓挫したか

  • 10

    中国衝撃、尖閣漁船衝突

  • 1

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 2

    中国衝撃、尖閣漁船衝突

  • 3

    戦死したイスラム系米兵の両親が、トランプに突きつけた「アメリカの本質」

  • 4

    日銀は死んだ

  • 5

    【原爆投下】トルーマンの孫が語る謝罪と責任の意味(前編)

  • 6

    トランプには「吐き気がする」──オランド仏大統領

  • 7

    イチロー3000本安打がアメリカで絶賛される理由

  • 8

    フィリピンのドゥテルテ大統領が国連脱退・中国と新国際組織結成を示唆

  • 9

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 10

    競泳金メダリストの強盗被害は器物損壊をごまかす狂言だった

 日本再発見 「世界で支持される日本式サービス」
 日本再発見 「世界で支持される日本式サービス」
Newsweek特別試写会2016初秋「ハドソン川の奇跡
アンケート調査
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

芸人も真っ青? 冗談だらけのトランプ劇場

小幡 績

日銀は死んだ

STORIES ARCHIVE

  • 2016年8月
  • 2016年7月
  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月