最新記事

サウジアラビア

イランと国交断交、シーア派指導者処刑で宗派対立悪化

在サウジのイランの全外交官や関係者に対し、48時間以内の国外退去を命じる

2016年1月4日(月)12時50分

1月3日、サウジアラビアはイランの首都テヘランのサウジ大使館襲撃を受け、イランとの外交関係を断絶した。写真はサウジアラビアのジュベイル外相。2015年12月撮影(2016年 ロイター/Jacky Naegelen)

 サウジアラビアは3日、イランの首都テヘランのサウジ大使館襲撃を受け、イランとの外交関係を断絶した。イスラム教スンニ派のサウジ王室と国民の大半をシーア派が占めるイランの関係は、サウジがサウジ王室に批判的だったシーア派の有力指導者ニムル師を処刑して以来、急速に悪化している。

 サウジのジュベイル外相は記者会見で、在サウジのイランの全外交官や関係者に対し、48時間以内の国外退去を命じたと明らかにした。

 サウジの断交発表を受け、イランのHossein Amir-Abdollahian外務副大臣は国営テレビに対し、サウジは外交関係を絶つことで「ニムル師処刑という大きな過ち」を隠すことはできないと非難した。

 オバマ米政権の当局者は「相違を乗り越えるには外交交渉と直接対話が引き続き不可欠だと考えている」とし、「地域の指導者に対し緊張緩和に向けて積極的に取り組むよう今後も要請していく」と述べた。

 テヘランでは3日、ニムル師の処刑に抗議する群衆がサウジ大使館を襲撃し、家具を破壊するなどした。

 イランの国営メディアによると、ロウハニ大統領は処刑を「非人道的だ」と非難した一方で、サウジ大使館と北東部マシャドのサウジ領事館を襲撃した人物の訴追を要請した。テヘランの警察当局者は火炎瓶や石で大使館を襲撃したとして複数の人物を逮捕したと述べた。検察当局者によると40人が身柄を拘束されている。

 イランの最高指導者ハメネイ師は、サウジの政治家らが「神の報復」を受けるだろうと非難した。

 シーア派が政府を主導するイラクでは、宗教・政治指導者らがサウジとの断交を求め、過激派組織「イスラム国」に対抗するため協力関係を構築しようとするサウジの取り組みを疑問視した。

  

[リヤド 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニュース速報

ワールド

北朝鮮大使、米韓軍事演習続く限り交渉しないと言明

ビジネス

焦点:中国金融機関の外資規制緩和、早期活用は厳しい

ワールド

特別リポート:サウジ「王室分裂」の裏側、汚職口実に

ビジネス

中国人民銀、穏健で中立的な金融政策を維持へ=四半期

MAGAZINE

特集:ビットコイン 可能性と危険性

2017-11・21号(11/14発売)

高騰を続け、今や1000種類以上に増えた仮想通貨 未来を変え得る新技術のリスクとメリットを真剣に考える

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 3

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 4

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 5

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 6

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない…

  • 7

    「お母さんがねたので死にます」と自殺した子の母と…

  • 8

    女性が怯えて生きるインドのおぞましい現実

  • 9

    飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義

  • 10

    絶滅したマンモスがクローンでよみがえる

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 3

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 4

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 …

  • 5

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 6

    飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義

  • 7

    体臭とセックスアピールの意外な関係

  • 8

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 9

    日中首脳会談、習近平はなぜ笑顔だったのか

  • 10

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮の電磁パルス攻撃で「アメリカ国民90%死亡」――専門家が警告

  • 3

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    人はロボットともセックスしたい──報告書

  • 6

    北朝鮮経済の「心臓」を病んだ金正恩─電力不足で節約…

  • 7

    生理の血は青くない──業界のタブーを破った英CMの過…

  • 8

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料ま…

  • 9

    トランプは宣戦布告もせず北朝鮮を攻撃しかねない

  • 10

    北朝鮮危機「アメリカには安倍晋三が必要だ」

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月