最新記事

地球温暖化

COP21、温暖化阻止へ合意ほぼ確実

今回の会議では国際条約の合意ではなく各国の削減目標の公約が重視される見通し

2015年12月1日(火)09時00分

11月30日、国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が30日、パリ郊外で開幕した。会議に集まった各国首脳(2015年 ロイター/Kevin Lamarque)

 国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が30日、パリ郊外で開幕した。世界195カ国の首脳が参加し、2週間の会期中に2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際的枠組みについて合意することを目指す。

 初日は各国首脳による演説が行われ、開催国フランスのオランド大統領は、世界は「限界点に達している」と対策の重要性を訴えた。

 2009年に各国首脳が参加したコペンハーゲンでの締約国会議の失敗を繰り返さないようにと、今回は首脳級会合の前に意見調整が行われるなど合意に向けた機運が高まっており、閉幕時に何らかの合意がまとまることはほぼ確実とみられている。

 会議では、再生可能エネルギーにシフトする際のコストを各国でどう分担するかが引き続き争点となる。

 人口が多く、石炭への依存度が高いインドのモディ首相は、二酸化炭素(CO2)の排出余地に言及し、「途上国は成長するための十分な余地を認められるべきだ」と述べた。

 COP21がこれまでと違う点は、CO2の2大排出国である米国と中国による温暖化対策での連携と言える。両国は2014年に化石燃料からの移行を同時に開始し、それぞれの方法とペースでエネルギーシフトを進めている。

 オバマ米大統領は中国の習近平国家主席と会談後、両国は「(気候変動に)対策を講じることが責務だと決意した」と発言。

 習国家主席は「気候変動問題への対応は人類共通の使命だ」と語った。

 オバマ大統領は、COP21が低炭素社会の実現に向けた合意に至るよう米中両国が協力すると表明。途上国が気候変動に対応するための十分な資金援助の必要性にも言及した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求 ハマスは

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中