最新記事
ドラマ

「どうやって破産するのか?」──俳優ジョン・ハムが演じる、壊れゆくアメリカンドリームの現実

Buying the American Dream

2025年5月16日(金)10時46分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
「どうやって破産するのか?」──俳優ジョン・ハムが演じる、壊れゆくアメリカンドリームの現実

自分の地位を築いてきたと自負するハムは作品とスタッフとの出会いに感謝している JON KOPALOFF/GETTY IMAGES FOR PARAMOUNT+

<最新作で成功した男たちの「闇」を演じるジョン・ハムへのインタビュー。金融マン役も「この役は本当に私に合ってる」>

秘密を抱えた裕福な男を演じさせたらジョン・ハムの右に出る者はいない。

人気ドラマシリーズ『マッドメン』の敏腕広告マン、ドン・ドレイパーに始まり、アップルTVプラスの新作ドラマ『ユア・フレンズ&ネイバーズ』では豪華な生活を死守するために犯罪に走る金融マン、アンドリュー・クーパーを演じる。

※新作ドラマ『ユア・フレンズ&ネイバーズ』の予告編を見る

「自分で言うのも何だが、この役は本当に私に合ってる」とハムは笑う。

「テーマは異常な富。後期資本主義と蔓延する物質主義。なぜ私たちは、より多くの物を所有しているという物差しで自分を他人と比較するのか」


クーパーのように「30万ドルの住宅ローンを抱えている状況に誰もが共感できるわけではない」が、「自分の過失ではない理由で職を失うことは、確かに人々の心に響くだろう」。

『マッドメン』、エミー賞同時ノミネートの『ザ・モーニングショー』(テクノロジー業界の億万長者役)と『ファーゴ』(悪徳保安官役)、『ランドマン』(石油富豪役)を経て「自分の地位を築いた」と自信を見せる一方で、尊敬する人たちと働けることは「幸運だ」と感謝する。

「彼らと働くことは素晴らしい贈り物だ」。本誌H・アラン・スコットが聞いた。

◇ ◇ ◇


──今回の物語のどこに引かれたのか。

制作者であるジョナサン・トロッパーの作品は、テレビや映画の脚本だけでなく小説も好きだった。彼と会い、この世界観のアイデアを聞いた。「こんなことが起き、この男がこんな方法で生計を立てなければならないなら?」

良いアイデアで、楽しくて魅力的だと思ったが、物語としてもっと深く掘り下げて、2025年の今、私たちの社会がどこにいるかということも描けるだろうと考えた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中