最新記事
映画

これが「女性ウケする男性像」で間違いない...『君の名前で僕を呼んで』『クィア』の監督流、ひと味違う「男の世界」

Luca’s Boys

2025年5月15日(木)14時32分
ナディラ・ゴフ(スレート誌カルチャー担当)
映画『クィア/QUEER(Queer)』のアラートンをはじめ、これまでグァダニーノ監督が生み出してきた男性キャラクターたちのコラージュ

『クィア』のアラートンをはじめ、これまでグァダニーノ監督が生み出してきた男性キャラ PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS BY A24, MGM, YANNIS DRAKOULIDIS/METRO GOLDWYN MAYER, AND A24ーSLATE

<最新作『クィア/QUEER』が公開中。ティモシー・シャラメを筆頭に、ブレイク前の若い男性俳優をスターへと進化させてきたルカ・グァダニーノ監督のひと味違う「愛の描き方」とは?──(映画解説)>

『クィア/QUEER(Queer)』は、ヒット作『チャレンジャーズ(Challengers)』に続くルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)監督の最新作。ファンにとっては、グァダニーノの描く男子をまたも堪能できるチャンス到来だ。

グァダニーノはこれまで、ブレイク前の若い男性俳優をポケモンのごとく集めては光り輝くスターへと進化させてきた。


『君の名前で僕を呼んで(Call Me by Your Name)』や『ボーンズ アンド オール(Bones and All)』で主人公を演じたティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)しかり、『チャレンジャーズ』のジョシュ・オコナー(Josh O'Connor)とマイク・ファイスト(Mike Faist)しかりだ。

そして『クィア』でファンの目を楽しませてくれるのは、2人の主人公のうちの1人を演じるドリュー・スターキー(Drew Starkey)だ。

『クィア/QUEER』予告編


ちなみに本作の原作は、ウィリアム・バローズ(William S. Burroughs)が1985年に発表した同題の中編小説。メキシコシティを舞台に、同性愛者のアメリカ人熟年男性が、海軍から除隊したばかりの若い男性に魅せられていく物語だ。

グァダニーノが描く若い男性キャラクターは、独特な形の欲望を紡いでポップカルチャーに影響を与えてきた。それは男っぽい肉体美とか派手なカリスマ性よりも、グァダニーノの芸術的ビジョンによるところが大きい。

だいたいハリウッドでは、才能と美貌に恵まれた男など珍しくもなんともない。それにグァダニーノ作品の主演俳優たちは従来的な意味で言えば飛び抜けた美形ではない。では、彼らは何が違うのか。

先端医療
手軽な早期発見を「常識」に──バイオベンチャーが10年越しで挑み続ける、がん検査革命とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

原油先物小動き、イラク生産減と米関税問題が交錯

ビジネス

EU、次期予算案で原発に資金拠出検討 ドイツは反対

ワールド

中南米海外直接投資、24年は7.1%増 新規は停滞

ビジネス

スウォッチ、中国低迷で上期7.1%減収 フラン高も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 5
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 6
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中