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経営幹部240人が回答...ビジネス界が見たAIの「誤解と現実」12選

AI’S REALITY CHECK

2026年2月7日(土)06時00分
ボリス・グロイスバーグ(ハーバード大学経営大学院教授)、サラ・アボット(同研究員)
EDMON DE HARO

EDMON DE HARO

<不信や不安をあおる報道とは裏腹に、世界の企業経営者は冷静にAIと向き合っている>

AI(人工知能)が世界のビジネスニュースを席巻する昨今、企業経営者はAIの導入についてどう考えているのだろうか。

私たちは昨年6月、オフィシャル・ボード社と共同で調査を行い、世界各地のさまざまな産業分野の経営幹部240人から回答を得た。そこからは、ビジネスの現場に立つ経営陣の実感と、センセーショナルなAI関連ニュースの見出しとの間には、ずれがあることが分かった。

◇ ◇ ◇


誤解AIは脅威である。

現実─経営幹部の多くは、AIがもたらすとされる恩恵に期待を寄せている。「AIは脅威かチャンスか」という問いに、回答者の87%が「チャンス」だと答え、「完全に脅威」と答えたのは2%にとどまった。

回答からは、特定の「波及効果」に期待が集まっていることがうかがえる。まず、AIにより生産性が向上し、組織の機動力と業績に寄与する可能性だ。AIのおかげで「少ない人材や資金でより大きく、よりよいビジネスが実現できるようになるだろう」と答えた経営陣もいた。

2つ目に、反復的で機械的な作業をAIに任せることで、人間がより創造的で新たな価値を生み出す仕事に集中できるようになる可能性だ。これにより業績だけでなく労働環境の改善にもつながると期待される。

3つ目にAIツールによるカスタマーサービスの加速・改善。4つ目に企業のデータ分析能力が高まることへの期待も聞かれた。AIのおかげで「従来よりはるかに高速でデータを処理し、評価できるようになった。おかげで的確な情報に基づいた迅速な決定を下せるようになった」と、ある経営幹部は述べた。ほかにも、これまで活用できていなかったデータや情報を基に「さまざまな価値を生み出すことができるだろう」との声も聞かれた。

一方で、AIにはプラス面もマイナス面もあると考えている経営幹部は11%に上った。使い方を誤るとリスク要因になり得るというわけだ。「知識不足やファクトチェックの甘さ、あるいは優柔不断できちんと決断できないが故に、AIの出した結論に適切な判断をせずに従うならばAIは脅威となる」と、ある製造業の経営幹部は述べた。

データセキュリティーへの懸念も聞かれた。ある化学企業の経営幹部は「AIを利用するには、機密性の高い重要な技術情報を入力しなければならない。十分に制御されていない外部サーバーやクラウドにそうした情報を送ることは、現時点では許容し難いリスクだ」と回答した。

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