最新記事

中国経済

人民元安が加速、中国株は急落し再びサーキットブレーカー発動

中国が人民元安を容認することで、事実上の貿易戦争が始まる懸念も

2016年1月7日(木)12時04分

1月7日、外為市場では、中国の人民元下落が一段と進行した。これを受け周辺国の通貨も売られた。中国株式市場は急落し、再びサーキットブレーカーが発動された。杭州市で撮影(2016年 ロイター)

 7日の外為市場では、中国の人民元下落が一段と進行した。これを受け周辺国の通貨も売られた。中国株式市場は急落し、再びサーキットブレーカーが発動された。

 中国が自国通貨安を容認することで、事実上の貿易戦争が始まるとの懸念が浮上している。

 中国株式市場のCSI300指数<.CSI300>はこの日、取引開始後30分もたたないうちに7%下落し、サーキットブレーカーが発動された。上海総合株価指数<.SSEC>も約7%下落。両市場は共に終日取引停止となった。サーキットブレーカーが発動されるのは、今週に入って2度目。

 人民銀行はこの日、人民元の対ドル基準値を2011年3月以来の元安水準となる1ドル=6.5646元に設定した。基準値は前日の基準値6.5314元から0.5%の元安水準で、昨年8月中旬の切り下げ以降で最大の下げ幅となる。

 これを受け、周辺国の通貨も下落。豪ドルは米ドルに対して、0.5米セント下落した。

 人民元安が続けば、アジア各国は、輸出競争力を保つための自国通貨引き下げ圧力にさらされる。

 さらに、人民元安によるコモディティ輸入価格の上昇で、中国の需要が減退し、その結果、コモディティ価格が一段と下落するという負の連鎖が引き起こされる可能性がある。

 

[上海 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米オラクル、日本に80億ドル超投資へ AIインフラ

ワールド

EU首脳、対イラン制裁強化へ 無人機・ミサイル製造

ビジネス

世界の債務問題が著しく進展、IMFなどが共同声明

ワールド

ガザの食料危機悪化とUNRWA、イスラエルが支援妨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像・動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 10

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中