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世界経済

新興国発「食料インフレ」の恐怖

2011年2月18日(金)18時00分
アニー・ラウリー

インフレの兆候を示す米政府の報告書

 経済学者のマーク・ペリーが作ったチャートによれば、小麦などの原料の価格は激しく変動するが、シリアルのような加工食品の価格はそれほど不安定ではない。加えて、アメリカの経済回復の遅れが消費財の需要を減少させている。アメリカ人の消費は外食からTシャツまでここ数年増えていない。お陰で小売店は価格を低く抑えている。

 だがアメリカ人消費者の「モラトリアム(猶予期間)」ももうすぐ期限切れになるかもしれない。食品原価の上昇分を、製品価格に転嫁せざるをえなくなると警告している企業もある。シリアルメーカーのケロッグは既に値上げを発表した。今年、シリアル「ウィーティーズ」の価格は上がり続けるとみられている。

 BLSの17日付けリポートは食料と燃料価格にインフレの兆候があることを示している。1月のコアインフレ率(食料品とエネルギーを除いた物価上昇率)は0.4%増加しただけだった。しかし食品価格に大きく影響する燃料の価格は急上昇している。ガソリン価格は昨年12月に6.7%増えた後、1月に3・5%増加した。食料価格も0.5%ほど上がった。

 要するに、もうスーパーでは低価格を期待するな、ということだ。

Slate.com特約)

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