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「トランプ旋風」は多様化社会に抵抗する保守層の悪あがき
例えば、整理術の中で「モノにトキメキを感じたら残す、感じなかったら捨てる」とか、「モノを捨てる時には心の中で感謝しながら捨てる」という部分が、アメリカの読者の琴線に触れたようです。
日本人からすると多少違和感があるのですが、そのような近藤氏の思想は「禅のスピリット」だということが真面目に語られていること、そして何よりも英語タイトルには「日本式の片づけ法」ということが書いてあること、ハードカバーの表紙には日の丸を思わせるデザインが施されていることなどを総合すると、200万を超えるという読者たちは、明らかに「これは日本の文化」だと思って自分の生活に取り入れているということは間違いなさそうです。
これが、2015年末のアメリカの現実です。
「トランプ旋風」というのは、その裏返し、つまり最新のトレンドに乗り遅れた保守層の「ささやかな抵抗」に過ぎないと言えます。そのようなマイノリティに過ぎない「トランプ・マニア」が「現象」となっているのは、CNNをはじめとするメディアが演出しているということもありますが、「保守でなければ予備選に勝てない、保守に過ぎると本選では勝てない」という共和党の「持病」が最悪の形で出ていると見ることができます。
そんな中、年が明ければ選挙戦の1年がスタートします。まずは、2月1日のアイオワ州党員集会と、9日のニューハンプシャー州予備選が注目されます。共和党がトランプ旋風の「悪酔い」から覚醒して本格候補を担ぐことができるのか、それともトランプ「降ろし」に失敗してヒラリーに惨敗するコースをたどるのか、ここに注目しなければなりません。
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