コラム

BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている

2026年02月28日(土)21時00分
BTS

BTSも国外での成功が先行するスターだった ORIENTAL IMAGEーREUTERS

<BTSや映画・ドラマを先頭に、世界を席巻してきた韓国のポップカルチャー産業が苦境に立っている。韓国国内の消費低迷が原因だが、実は構造的な問題も抱えている>

『バトル・オーシャン 海上決戦』1761万人、『エクストリーム・ジョブ』1626万人、そして『神と共に 第1章:罪と罰』1441万人。韓国国内の映画歴代観客動員数トップ3である。韓国の人口が5000万人余りだから、『バトル・オーシャン』は0歳児から100歳超の韓国人の3人に1人以上が見た計算になる。韓国人がいかに映画を愛してきたかが分かる。

国外進出が注目される韓国のポップカルチャーだが、映画やドラマといったコンテンツの躍進の背景に、実はこうした韓国人自身の大きな消費がある。例えば、先の『バトル・オーシャン』は国外でヒットせず、日本では劇場公開さえされていない。


その韓国のポップカルチャー産業が苦境に立っている。背景にあるのは、先に述べた韓国国内での消費の低迷である。韓国国内での映画の年間観客総数は2020年の新型コロナ禍以後大きく落ち込み、歴代観客動員数上位のうち、20年以降の作品は6位の『ソウルの春』だけである。

25年の年間観客総数も同様に低迷し、19年の半分に達しない見込みだ。ドラマの制作本数も22年をピークに減少を続けている。

プロフィール

木村幹

1966年大阪府生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。また、NPO法人汎太平洋フォーラム理事長。専門は比較政治学、朝鮮半島地域研究。最新刊に『韓国愛憎-激変する隣国と私の30年』。他に『歴史認識はどう語られてきたか』、『平成時代の日韓関係』(共著)、『日韓歴史認識問題とは何か』(読売・吉野作造賞)、『韓国における「権威主義的」体制の成立』(サントリー学芸賞)、『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(アジア・太平洋賞)、『高宗・閔妃』など。


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